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時刻は16:30。

うわぁ、間に合うかな……




会社から走って出ては更に走る。


まだいるっていう確証はない。
でもこの時間帯なら大体あそこにいそう。


お願いいてほしい…!




そう願って私は彼と出会った場所に駆け込む。





『……いた!』



そこには海と同色の彼











の下にいるわんこ!!





『たぴちゃん…!会いたかったよぉぉっ…』


砂浜でワンワン鳴く真っ白の子犬。
そして私はその子犬に抱きついてはスリスリする。




「あーのーさー、僕に挨拶はないわけ?」




頭上から降ってくるガサガサな声で我に返り、
見上げてみると不貞腐れてる海色の彼。



『あ、ごめんなさい…ころんくん。』

「うちのたぴは可愛いから気持ちわかるけど
僕に挨拶しないとかどうなの!」

『だからごめんってばぁ…』




ころんくんとは初対面から、
同じ"ゲーム好き"という接点で仲良くなった。

お互い名前呼びのタメ口。
私よりも3つも歳上のお兄さんなんだけどね…





「ん。今日は初出勤だっけ?」

『そうなの。
たぴちゃんに会いたくて早めに切り上げてきたよ』

「えー?たぴのためなの?僕に会いたいんじゃなくてー?」

『たぴちゃんに会いたかったの。』

「きっしょ。」





相も変わらず他愛のない話を繰り広げては
癖の強い笑い方で笑うころんくん。

あー、面白いなぁ…。





『この町の人っていい人ばっかだよ〜』

「えー?そぉ?まぁ、僕はいい人だけどね。」

『え?耳聞こえない。』

「きも。……てかさ、なんでAはこの町に来たの?」





ころんくんの口からこぼれたのは唐突な質問だった。

そして、私が1番聞きたくない質問。





「大して知られてるような町じゃないし。
なんか理由があるとか?」








私はこの質問に答えることが出来ずに
ころんくんの綺麗な瞳を黙って見つめることしか
出来なかった。







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作品ジャンル:恋愛
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無気力に自信が有る人 - さとみくんかころんくんオチだと思っていたのに、なーくんだったから驚きました!この作品大好きです! (2021年12月20日 1時) (レス) @page50 id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
桜あやや(プロフ) - 株式会社ブルドーザーwww昨日プール言った筈なのに海行きたくなる名作でした(uωu*)めあちゃん処女作で文才ありすぎでしょ〜…めちゃめちゃ感動した…! (2021年7月27日 9時) (レス) id: 90426be14c (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 柏木。@低浮上さん» 少し恥ずかしいグダグダ作品だよw(;▽;) (2021年2月4日 23時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
柏木。@低浮上(プロフ) - わらが女神、めありの原点。 (2021年2月4日 23時) (レス) id: d5d685891e (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - すとぷり好きさん» コメントありがとうございます!わぁぁそうなんですね(;▽;)涙までありがとうございます(;o;) (2020年8月5日 8時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2020年6月8日 10時

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