28--うるさい ページ28
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「ひぇッ!?!ぎ、義勇さん見ましたか!?今そこで何か動きましたよ!!」
「…………」
「ア“ァァァ!!!!今絶対何かいました!!いましたよ聞いてますか義勇さん!!!」
「………………うるさい」
「ゴメンナサイッ」
許してくだせえ。夜の森ほど怖いところってないと思う。ほんと怖い真夜中の神社くらい怖い。有名なホラーゲームの恐○の森とかがトラウマ過ぎてほんと無理絶対よし○さん出てくる。
義勇さんの羽織を握りしめてガタガタと震えながら後を着いていく。那田蜘蛛山に入る時なんであれだけ善逸が震えていたのかがだいぶ分かった。たしかに怖いわこれ。少し気を緩めたらチビる(((
「……………」
先程から騒がしい私と対照的に義勇さんはほとんど黙っている。たぶんさっき喋ってくれたのが任務に来て初めての言葉だった気がするけどよりにもよってそれが「うるさい」という不満の言葉で泣きそう。
やっぱり慣れてるのかな。まぁ慣れるよね。13の頃からもう8年間も鬼狩りをしてるんだし。
13って……中1………。中1の頃なんてクラスで下ネタが流行しだしたっていうしょうもない覚えしかないんだけど……。
ちらりと義勇さんの顔を覗き見る。
………あ、この顔アレだ。「コイツ、鬼だよな」って思ってる顔だ。絶対そういう顔だ。
ごめんなさいこんな同種族(認めたくないけど)相手にも怯えてる臆病者ですが僭越ながら鬼やらせてもらってます。認めたくないですが。
もう森の中を彷徨ってかれこれ1時間がたった気がする。腹時計頼りだから確信はないけど。鬼の体になってからお腹空かないから体内感覚ほんとにおかしいけど。
「……………気配。全然感じないですね」
「…………ああ」
あ、ちゃんと返事してくれた。さっきまで嫌われるの覚悟で夜の怖さを紛らわす為にひたすら話し続けてた時はなんも返事してくれなかったのに。
「………ほんとに、居るんですかね」
「…ああ」
「………髪の毛触ってもいいですか」
「…ああ。…………?」
義勇さんは足を止めて私を振り返る。ズルくないですズルくないです。別に義勇さんが「ああ」しか言わないからって別にそれを利用したなんてそんな。
私は笑顔を浮かべて義勇さんの頭へ手を伸ばす。
ふぁぁぁぁ念願の義勇さんの髪の毛!!昨夜は触れなかったしね!しかも今回はちゃんと許可まで取ってる。
あ〜〜〜〜ホワホワするんじゃ〜〜
___私に撫でられていたはずの義勇さんが突然刀に手をかけた
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メア(プロフ) - やあさん» アニメ以降の無限列車編のみネタバレとなります! (2019年12月16日 8時) (レス) id: 80100b30c6 (このIDを非表示/違反報告)
メア(プロフ) - 紅葉さん» お返事遅くなりすみません!うおお好きが沢山…めっちゃありがとうございます!!続編から先もよろしくお願いします!! (2019年12月16日 8時) (レス) id: 80100b30c6 (このIDを非表示/違反報告)
やあ(プロフ) - この作品、ネタバレありますか…?? (2019年12月16日 2時) (レス) id: 3fd8182389 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - むっちゃ好きです大好きですこんな素晴らしい作品をありがとうございますそれでは続編行ってきます!(ノンブレス) (2019年11月24日 9時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
メア(プロフ) - カオリさん» そうなんですか…!すみません、ご指摘ありがとうございます!頸動脈切ったら即死に変えさせていただきます! (2019年11月11日 20時) (レス) id: 80100b30c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メア | 作成日時:2019年10月5日 22時