92話 スケベですねえ ページ43
濡れた服を火で乾かす白石さんとキロランケさん。こんなに大きなイトウ、初めて見た。佐一や私よりも大きい
「大きな皮がとれるぞ。これ一匹で、服が一着作れる」
「え？ 魚の皮で服を作るの？」
「チェプウル(魚皮衣)──魚の皮で作った服は、雨や風も通さない。イトウの他にも、サケやマスの皮でも作られるが、一着の服に、少なくとも50匹以上が必要だ。
靴や、小刀の鞘にも、魚の皮を使う。他にも松脂のかわりに、イトウの皮を煮込んで作ったニカワで、矢尻に毒を固定すると、毒が傷のまわりに集まりやすくなる」
「いろんな利用法があるんだねぇ、イトウの皮は」
「便利だなあ」
魚の皮にも、色々なな使い所があるのか。皮は美味しいけど、それだけかと思っていた。
「でもな杉元、ハナ。実はイトウは、皮が美味いんだ。皮を残して、色んな物に利用するか、それとも食べちゃうか…うーん…ほんとに悩むところだなぁ」
「食べちゃえばぁーー？」
「食べようよアシリパさぁーん？」
佐一と私が悪魔の囁きのような声をかける。いやアシリパさんが佐一と私にそういう言葉を出させているのでは？
「皮をつけたまま焼けば、肉の旨味を逃さない。塩焼きが簡単だしおすすめだ。
鮭は、大きければ大きいほど美味い。イトウは鮭の仲間だから、このイトウの主も美味いはずだ」
キロランケさんの後押しにより、この巨大なイトウは食べることが決定した。
「あれ、ハナちゃんなんでさっきから下向いてるの？」
「っ！？！…な、なんでもない…」
白石くんから声がかかる。私は今かなり動揺しているんだよ、話しかけないでくれ
こちらを覗き込む白石くん。やめろこっちをみるな
「え！？ハナちゃん顔真っ赤！どうしたの？」
「ハナ、体調が悪いなら言ったほうがいい」
アシリパさんにまでそう言われて、ついに黙っている訳には行かなくなった
「違う…体調悪くない…」
「じゃあなんだ」
「き………が…の…」
どうしても声が小さくなってしまう
「聞こえないぞ？」
「…キロランケさんがスケベすぎる！！！」
もう吹っ切れた。逆に大声で言ってやるよ！！どうせ大丈夫だろ！！
「は？」
「その体フェロモン出てない！？可笑しいなんで！？めっちゃスケベ！！むり！」
そう言いながら佐一の後ろに回り込む。
「！…ははっ！嬉しいが…俺の女になるならもう少しばかり太めじゃないとな」
そう言ってキロランケさんは笑った。違う、フェロモンにやられただけです決してそんな…
「ハナさん…こういう奴が好みなのかい？」
あれ…なんか佐一顔恐ろしくない？
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雪羅 - とても面白いです！更新楽しみにしています！ (2022年12月4日 10時) (
レス) @page13 id: 17d7a074e0 (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - パッズォさん» えぇえ！！たのしみにしてます！！！！！ (2021年8月31日 13時) (レス) id: 2b6b2b0610 (このIDを非表示/違反報告)
パッズォ - れたすさん» ありがとうございます！二階堂との絡みも勿論予定しております、乞うご期待！ (2021年8月30日 18時) (レス) id: 1300b6c97a (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 好きです！！！モルヒネ依存性になった後の二階堂との絡みがみたいです！！！ (2021年8月29日 23時) (レス) id: 2b6b2b0610 (このIDを非表示/違反報告)
パッズォ - ほだんさん» そう言っていただけると本当に嬉しいです！励みにして頑張ります！ (2021年8月25日 22時) (レス) id: 1300b6c97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パッズォ | 作成日時：2021年8月23日 16時
