89話 八尾比丘尼 ページ40
アシリパさんのコタンへ戻る途中、今まで手に入れた刺青を改めて確認する
酒で人生狂ったオッサン
ホチキスさんに頭を撃ち抜かれたオッサン
最後の狼を追っていた、猟師のオッサン
ニシン場にいた、連続殺人鬼のオッサン
「そして、脱獄しては捕まるドジなオッサン」
「俺は脱獄王だッ」
折角脱獄成功してるのに、その度にまた捕まるから脱獄王になっちゃったんだろう、それならドジなオッサンである
そしてスマホに入っている鶴見さんが持っていた刺青が一枚分。そういえばこれがある事は佐一達に伝えた記憶がない。もしかして言ってないっけ…？
「なあ」
「ん、どうしたハナ」
「私が鶴見さんが着てた刺青の写真撮ってあること言ったっけ？」
「えーーーッ！？」
あ、やっぱり言ってなかった感じか、ミスったなこれは。と思いながらスマホを出してアルバムを開く。そこには刺青人皮を着こなして笑っている鶴見さんの写真が
この写真切り抜いて顔見えない様にしとこうかな、アルバム開く度に怖い…
「ほんとだ…」
「凄いよハナさん！」
「ああ、ハナのおかげで新しい刺青が手に入った様なものだ！」
白石くん、佐一、アシリパさんの順で私を褒めてくれる。キラッキラな眼差しが少し嬉しい。
その後白石くんがキツネの罠に腕を挟めて口をへの字にしている写真を本人が見つけて「なんで撮ってんのォ？もぉーー」と言っていた
「鶴見中尉が持っているのは、ハナさんが撮ってくれた1枚だけなのかな？」
「さあ、どうかな」
「土方が囚人を集めて、仲間にしているかもしれないんだよな？」
「その土方さんを発見すれば一気に刺青が手に入るかもな」
「ああ…。土方歳三か…どんな男なんだろう」
土方歳三…生きているならどんな感じなのだろうと想像してみる
背は高めで、刀を刺してるだろうな。髭も生えてて、髪は長いと思う。でも歳はとってるから、髪や髭は白いのかもな
……あれ？これって甘味処で会ったあのイケオジと同じじゃない？私が土方歳三はイケオジだと錯覚している？
「とても70を超えてるとは思えねぇ若々しさがあったな。”人魚の肉”でも食ったんじゃないかって、囚人たちから言われていた」
「にんぎょ？」
「上半身が人間で、下半身が魚のバケモノさ」
「『人魚姫』私がちっちゃい頃1番好きだったな」
「八百比丘尼っていう伝説があってな。人魚の肉を食べた娘が、不老不死になるのだが…永く生きると、愛する者の最後を見送るばかり。
娘は何百年も生き、尼となって、最後には世を儚み、岩窟に消えた」
「死すべき時に死ねないつらさか…」
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雪羅 - とても面白いです！更新楽しみにしています！ (2022年12月4日 10時) (
レス) @page13 id: 17d7a074e0 (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - パッズォさん» えぇえ！！たのしみにしてます！！！！！ (2021年8月31日 13時) (レス) id: 2b6b2b0610 (このIDを非表示/違反報告)
パッズォ - れたすさん» ありがとうございます！二階堂との絡みも勿論予定しております、乞うご期待！ (2021年8月30日 18時) (レス) id: 1300b6c97a (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 好きです！！！モルヒネ依存性になった後の二階堂との絡みがみたいです！！！ (2021年8月29日 23時) (レス) id: 2b6b2b0610 (このIDを非表示/違反報告)
パッズォ - ほだんさん» そう言っていただけると本当に嬉しいです！励みにして頑張ります！ (2021年8月25日 22時) (レス) id: 1300b6c97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パッズォ | 作成日時：2021年8月23日 16時
