71話 キツネじゃない ページ22
「キツネの罠を見に行こう。獲れてるといいな？ 杉元、ハナ」
「キツネ…どんな味か興味が出てきたぜ」
「やったーキツネー！」
「───」
あれ、今佐一何か言った？…聞き取れなかった
「佐一今何か言った？」
「いや、何でもない」
何か言った気がしたんだけれど…気の所為かな
キツネの罠に到着すると、そこにキツネはかかっておらず、代わりに何故か白石くんの右腕が挟まれていた
「クーン…」
「どうしてだ白石くん、何があった」
捕まっている白石くんに声をかけながら白石くんの写真を撮る。だってなんか絵面が面白いから…
杉元さんが白石さんを罠から降ろした。引っかかったキツネみたいに地面に転がっている
「白石は入れ墨の皮を剥いだら、肉は臭いから捨てる。カラスとかネズミが食う」
「ちょっとー！！ んもぉーー、お肉捨てないでえ？」
「キツネの罠は失敗か…」
「暫くはキツネはかかんないだろうなー、あーあ白石くん…」
というか、村にいた白石くんはどうしてこんな所へ？
「おまえ何しに来た？」
「おお、そうだそうだ。レタラを俺に貸してくれ」
「は？」
「レタラを貸せだと？」
急すぎるぞ白石くん…。もっと流れを作れ
「アシリパちゃん、レタラ呼んでくれよ！ オオカミと仲良くなりたいんだ。お願い！ いいでしょ？」
「……さては白石くん、レタラくんの毛皮を売ってまた酒を…？」
「しないしない！」
ちょっと今までの行い的に信じられん。嘘はついてなさそうだけど、仲良くなりたい訳ではないのでは？
「レタラは私のものじゃないから貸せない。それに、今後わたしからレタラに近づくことは無い。
狼たちを巻き込みたくない。何を企んでるか知らんが、そっとしておけ。この話はもう終わりだ」
不満げな白石くん。レタラくんに何させるつもりだったんだお前…。芸を仕込んでお金儲け…違うな。じゃあ犬科の特性を活かしたものかな…
あ、人探しとか
「昨日の夜、あちらの方向でフクロウが鳴いた。求愛とは違う鳴き声だ。アイヌにはペクレプチコイキと聞こえる。
フクロウが小熊を獲ったということは、その近くに母熊がいるということだ。
ヒグマが冬ごもりの穴から出てきてるのかもしれない。ちょっと見に行こう」
「オレ帰っていい？」
「ダメだ、ずるいぞ」
アシリパさんを先頭に、佐一、私、白石くんの順に進んでいく。
後ろについてくる白石くんに声をかける
「なあ白石くん」
「ん？」
「レタラくんを貸して欲しいのって人探しとか？」
「うっそなんでぇ！？」
とんでもなく驚いた様子の白石くん。図星だなこれは？
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雪羅 - とても面白いです！更新楽しみにしています！ (2022年12月4日 10時) (
レス) @page13 id: 17d7a074e0 (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - パッズォさん» えぇえ！！たのしみにしてます！！！！！ (2021年8月31日 13時) (レス) id: 2b6b2b0610 (このIDを非表示/違反報告)
パッズォ - れたすさん» ありがとうございます！二階堂との絡みも勿論予定しております、乞うご期待！ (2021年8月30日 18時) (レス) id: 1300b6c97a (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 好きです！！！モルヒネ依存性になった後の二階堂との絡みがみたいです！！！ (2021年8月29日 23時) (レス) id: 2b6b2b0610 (このIDを非表示/違反報告)
パッズォ - ほだんさん» そう言っていただけると本当に嬉しいです！励みにして頑張ります！ (2021年8月25日 22時) (レス) id: 1300b6c97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パッズォ | 作成日時：2021年8月23日 16時
