小さなよもやさん

八 ページ9

〜U side〜


よく飲み交わすことが多い煉獄がここ最近様子が変だった。


ボーッとする事が増えたり、夜の見回り行く前妙にソワソワしたり。


生憎俺は鈍感じゃない。


コイツはもしかしたら…。そう思って煉獄の鴉に聞いた。


そしたら案の定、毎日の様に通っている場所があるとの事。


場所は煉獄の担当地域のとある村の食堂。


鴉も主人の煉獄に黙ってこっそりその食堂の食いもんを貰っているらしく、美味いらしい。



昨日、煉獄に女が喜ぶ贈り物は何かと聞いてきた。


これは例の食堂に働いている女への物だろう。


無難に甘味、それも庶民にはそうそう手に入れる事が出来ないキヤラメルを進めた。


煉獄はすぐに購入したとか。



その辺の女なら適当に弟に買いに行かせる、又は聞いたであろう事を俺にわざわざ聞いてくるほどハマっている相手がどんなヤツか見るついでに昼飯を食べようと向かった。


勿論煉獄には言っていない。



着いた村は小さく、煉獄の通っていると言う食堂はまぁ、見た目はどこにでもありそうな……ハッキリ言えば地味だった。


大した印象にも残らない。


でも、店に飾ってある藤の花は鬼殺隊として働いているからか一番目に入った。



看板娘であろう店の店員の娘は、見た目は可愛らしい方だ。


方と言うだけで、ついつい目で追ってしまうようなものすごく可愛いいという訳では無い。


煉獄の母親は確か美人な顔だちだった筈。


逆の相手に惚れたのか…。


それとも、今この場に居ないだけで他の娘なのか。



とりあえず店に入ることにした。

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