五 ページ6
「…あ………A殿!」
怪我をされていた日から数日後程の事。
店に入ってきた時点でどこかソワソワしていたよもやさん。
この後にでも何かあるのだろうかと思えば、食べ終わると私の元に来た。
「何でしょうか?」
「そ、その……この前の手当てのお礼に、これを」
そう言って渡されたのは見たことの無い茶色く四角い形をしたものだった。
「これは?」
「キヤラメルだ…甘い物は嫌いだっただろうか?」
「え!?あのキヤラメル!?そ、そんなお高い物!怪我の手当ては無理に私が自己満足でしたことなので気にしないでください!それに、いつもこのお店にきて美味しく食べてもらっているので十分ですよ!!」
キヤラメルの話は聞いたことがあったが食べたことも見たこともない。
それは小さいくせに一粒が大福と同じ値段のするとても高い甘味。
そうそう買って食べれない甘味は、裕福と言えなくていつも店の手伝いをしている私には程遠い食べ物だった。
手当ての事があろうがただでさえお金を払って食べに来てもらっていて、大した気配りなど出来ていないのに、こんな豪華な物を貰うなんて…。
返そうと手渡されていた小さな粒の入った箱をよもやさんの手に置こうとするが引っ込まれてしまい。
しかも、逆に私の手に今日の分の代金を乗せ
「今日も美味かったと店主殿に伝えておいてくれ!ご馳走様!また来る!」
早口で言い残して今日もまた足早に去った。
唖然として見送ってしまった。
手に乗った代金は店の箱に入れ、食器を持って厨房に居るお父さんに相談した。
が
「……ご好意なら貰っておきなさい。彼はAに喜んで欲しかったのだろう。でも、お店の中では食べないように」
「わかった…」
店の閉店後に食べたキヤラメルは今までで食べた事のある物の中で一番甘くて美味しかった。
また明日お礼を言おう。
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前回の作品の方でこの作品の宣伝をさせてもらったら、こんなにお気に入り、評価が増えてしまうとは…更に順位まで……ありがとうございます!
今後期待を裏切ってしまう可能性もありますので、思ってたのと違う、面白くなかったと思えばすぐにお気に入りを外してもらって大丈夫です!
一人でも見てくださる方が居れば頑張るので!
出来るだけいいお話が書けるようにはしますが…笑
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me(プロフ) - 星流さん» ありがとうございます!涙を流せてもらえたなんて…!本当にありがとうございます!嬉しいです! (2020年8月24日 15時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
星流 - 必読の後からボロボロ涙こぼしながら読みましたぁ。なんかもう面白いけど涙止まらなくて両親に不思議な目で見られましたwこれからも応援しますね!! (2020年8月23日 17時) (レス) id: a0acb0a3f9 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - りなおさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!キュンキュンしてもらえてよかったです! (2020年8月17日 20時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
りなお(プロフ) - とてもキュンキュンさせていただきました…!本編もこぼれ話も泣いてしまいました(TT)素敵な作品をありがとうございます!続きも、楽しみにお待ちしております。 (2020年8月16日 3時) (レス) id: 712037cba2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - ママよさん» ありがとうございます!お待たせさせすみません。 (2020年7月12日 18時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:me | 作成日時:2020年4月27日 17時