第31話 ページ32
「信じられないならそれでも良いよ。ただ俺は嘘はつかねぇから」
真剣な瞳で見つめてくる山田一郎。
そんな言葉、信じられる訳、
ただ今は正常な考えが出来なくて、溢れる涙を抑えられなくて、山田一郎の「俺の家来ますか?」という言葉に頷いてしまった。
「今日は2人居ないんで、ゆっくりして下さい」
「……ありがとうございます。」
紅茶を入れてくれた彼にお礼を言う。
この前とは違い、仕事では無いのに真摯に接してくれる彼に心が動く。
山田一郎は何も知らないかもしれない。そういった考えが出てきてしまうが、やっぱり信じられない。
彼だけ私のことを知らない筈がない。
「何かあったんですか?」
「……どうやって生きていけば良いか分からなくて」
「自由に生きたら良いと思いますけどね。俺は弟たちの為に萬屋やってますけど、結構楽しいし。」
山田一郎が笑ってそう言う。
紅茶の水面が揺れて、自分の顔が映る。
酷い顔だ。こんな顔で外に出たらそりゃ心配されるに決まってる。
グズグズしている自分が阿呆らしく思える。でもこの世界での生き方が分からないし、彼らとどう接すれば良いか分からない。
「…じゃあ俺の所で働く?」
「え?」
「いや、気分転換にどうかなって」
頬を掻いて突飛なことを言う山田一郎。
そこでリビングの扉が開いた。
山田二郎と山田三郎が喧嘩しながら入ってくる。
そして私の顔を見て、山田一郎の顔を見て、お互いに顔を見つめた。
「「いち兄に手出すな!!!!」」
「えっ私が責められるの?」
「お前らなぁ…」
523人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めゃたそ(プロフ) - tauさん» 返事遅くなってすみません( ; - ; )最後までお付き合い頂けると嬉しいです^._.^! (2022年3月12日 1時) (レス) @page32 id: 2adbaf7312 (このIDを非表示/違反報告)
tau - 凄く面白くてずっとドキドキしてます!!更新待ってます! (2022年2月20日 1時) (レス) id: 214b57c649 (このIDを非表示/違反報告)
めゃたそ(プロフ) - 蟹さん» 返事遅くなってしまってすみません( ; - ; )これからラストスパートなので最後までお付き合いください^._.^! (2022年1月25日 6時) (レス) id: b95033d2c4 (このIDを非表示/違反報告)
蟹 - はわわわわ最高です........ (2021年9月26日 10時) (レス) @page27 id: a33ba47173 (このIDを非表示/違反報告)
めゃたそ(プロフ) - 蛇使い座さん» 最近全然更新していないのにコメントありがとうございます…!蛇使い座さんの作品も拝見させてもらってます…!お互い頑張りましょう^^ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 344416c129 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めゃたそ | 作成日時:2019年3月21日 23時