ラズベリームースと、それから。 (ページ9)

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宮近side

「はよー」

事務所のレッスン室に入りレッスン着に着替える

ストレッチをする前にスマホを開くと、
昨日の夜にAちゃんからきていたメッセージに
返信していなかったことを思い出した

予定を確認しておくと書かれた返信に
身構えずに応えてくれたんだなと少し安心する

まさか、
自分たちのファンだとは思ってもみなかったけど

それ以前に、現場に遭遇したからか
この子のこともっと知りたいな、守ってあげたいな

そう思った時には自分でもびっくりするような
行動をとっていた

今だって＂おはよ。うん、よろしくね＂と返信する
顔は多分、緩んでいるなと自分で呆れてしまう

「ちゃかおはよ！…朝なのに機嫌いい？」

同じくレッスン室に入ってきた元太が
ニヤニヤと声をかけてくる

「元太おはよ、まぁまぁそうですね」

「めっちゃ機嫌いいやん！何、恋した？」

突拍子もない鋭い予想に思わず目を見開く

「え、まじ？」

しばらく沈黙が生まれたかと思うと、

「ケイー！ちゃかが恋した！！」

「は！？ちゃかお前！！誰！！」

遠くの方でガヤガヤと騒ぐ声を背に
スマホの送信キーをタップした