ラズベリームースと、それから。 (ページ8)

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「ただいまー…」

まだ、元彼がいた形跡がいくつも残る部屋に
1人呟き家に上がる

家に帰ってからの5分間、
LINEを開いては閉じるを繰り返していた

…流れで交換したとはいえ、私はファンであることは変わりないし、自分の中で線引きはちゃんとしなきゃ

たとえば、自分からは連絡しないとか

多分、宮近くんもちゃんとしている人だから
仕事の話はすることないと思うけど私からは絶対に
聞かない、とか。

だけどさっき家に着いたら連絡ちょうだいって
言われたからこれはマイルール違反には
ノーカウントだろうか？

そんなことを考えていると通知音が鳴り響く

＂着いた？＂

シンプルなそのメッセージに
思わずすぐに既読をつける

＂着いた！！本当に今日はありがとうございました＂

＂返事はや笑＂

宮近くんの言葉に、しまったと頭を抱える

女子高生並みの速さで返信してしまった、と
1人で恥ずかしくなりクッションに顔を埋めると

続けて通知音が耳に入る

＂ごめん、嘘だよ。笑＂

＂飲み行ける日程、分かったら教えるね＂

社交辞令じゃなかったんだ、と少しだけ
嬉しいような心配してしまうような複雑な自分がいた

＂うん！私も予定確認しておくね！＂

送信キーをタップし現実から逃げるように
スマホを枕の下に滑らせた