ラズベリームースと、それから。 (ページ41)

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「怒ってる？」

キッチンに着くなり海斗が恐る恐る顔を覗きこむ

「怒ってない、いやちょっと怒ってる
心の準備いるじゃん！！」

「ごめん、あいつらもAも嬉しそうだったから」

そう言って海斗が後ろから腰に腕を回す

「反省してないでしょ」

「してるよ、めっちゃ」

「してたらこんなことしない！動きにくい！」

抱きしめられたまま、ぶんぶんと体を揺らす

「いいじゃん、ずっとこうしたかったし～」

「後ででいいじゃん」

「よくない」

多分これは向こうに行くまで離してくれないなと

意外と甘えたさんな彼の一面に白旗をあげる

「A、こっち向いて」

「なに？」

オーブンに行きたいんだけど、と言おうとすると

ちゅっと音を立てて短いキスをされる

「ただいま」

「…おかえり、はいそこまで～」

無理矢理、海斗を剥がしラザニアを取り出す

「持っていって、だーいすきな海斗くん！」

そういって柔らかそうな白い頬に口づける

「お前まじこういう時だけずるいよな」

リビングに戻る直前、

＂今日、あいつら帰ったあと泊まりね＂

耳元で呟かれた言葉に

顔を赤くして合流し2人に問い詰められたことは

言うまでもない