ラズベリームースと、それから。 (ページ33)

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抱きしめたまま宮近くんが続ける

「さっき、うちに来ない？って言ってくれたとき
すごく嬉しかったんだ…なんならこの間も。
もしかしてAちゃんも俺と同じ気持ちで
いてくれてるのかなって」

「…うん。え？」

俺と同じ気持ち、って

「でももし俺の自惚れだったらどうしようって
俺の勘違いで距離の詰め方間違ってAちゃんが
離れていったらって思ったら怖くて自分の気持ちと
Aちゃんからも逃げた」

「ちょっと待っ、て。俺と同じ気持ちっていうのは」

そういうとゆっくりと体が離れる

「俺ね、初めて会った時からAちゃんが好き」

あの時と、

初めて会った時と同じ
雑誌でもテレビでも見たことのない笑顔で
宮近くんが言ったその言葉が嬉しくて思わず抱きつく

「私、趣味とか優先させて振られた女だよ」

「うん、知ってる」

「てかそもそも宮近くんのグループが好きな人だよ」

「そうだね」

「……めっっちゃまつくのこと好きで結構普段は
口開けばまつくのことばっかだけどいいの？」

「うーん、それは時と場合によるかな」

抱きついた私をゆらゆらと揺らしながら
宮近くんが笑う

「そんな私でよければ、」

＂付き合ってください＂という言葉は唇で塞がれる

「そんなAちゃんが、いいんだよ」

唇が近づいたまま言われまた何度も唇が重なった