ラズベリームースと、それから。 (ページ11)

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宮近side

「で、なーに？」

レッスンの休憩中、
元太が隣に来たかと思うと急に口を開く

「何が？」

「分かってんだろ！朝の話！」

「あー…そのまんまで分かってたやん」

話すのを渋る俺に
痺れを切らした元太が上を見上げる

「そうじゃなくて！どこで、とか何があったとか
あるじゃん！色々！」

「そんな怒んなって！(笑)
普通にカフェで見かけて綺麗だなーと思って
まぁ…流れで話してって感じ」

彼女が置かれていた状況は、
俺が勝手に話していいものではないと黙っておく

「一目惚れ！？
てかちゃかってそういうタイプだった？」

「俺もびっくりしてるよ、しかもさその子」

「うん」

「俺らのファンだった」

「え、それは…大丈夫なの？」

不安そうに元太が眉を下げ言葉を探し始める

「…言いたいことは分かるけど
むしろ向こうのほうが気にかけてくれてて、
そこも、うん、いいなぁって」

「なんだその優しい顔！！恋しやがって！
羨ましいわ！！ちゃかのファンなの？」

元太の問いに、そういえばと我に帰る

「確かに、聞いてなかったわ」

「まじかよ、1番気になるだろ(笑)
まー進展あったら報告よろみ」

俺もキュンキュンしてえな～と呟きながら
元太がどこかへ行くのを見送り、

＂誰のファンなの？＂と入力して手を止める

「…いや、直接聞けよ、中学生かっての」

1人恥ずかしくなり、
文字を消してスマホをポケットに入れた