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何処までも繋がる。 後編 ページ21

「大丈夫だったかい?」

可愛い孫が怪我をしたんだ、
これを心配しないわけがない。

「うん。大丈夫!

でも、おじいちゃん…
それじゃないの!」

彼女は目をキラキラさせて私を見つめる。

「私ね、
その時にあるお兄さんにこれ貼って
もらったんだけど…」

そう言うなり、
ぽっと顔を赤らませる、彼女。
そしてそれを隠すように、
小さな紅葉のような手で顔を隠す。

「ふふふ。」

しかし隠しきれないその感情は、
既にもう彼女の口から溢れ落ちていた。

まさか、こんな幼い年で、
私の大切な孫が…

「まだ、君には、はやい!」

だめ、だめだ…
どこの馬の骨かもわからない奴に
彼女をまだ渡す訳にはいかない!

「ムー、
おじいちゃんのばか!
わからずや!

お母さんも、お父さんも
皆んな、おんなじ事言うし!」

私の言葉に
プク〜と口を膨らませる彼女。

「おじいちゃんなら、
少しは、わかってくれると思ったのに!」

「うぐっ…」

おじいちゃんなら、は
私にとっては魔法の言葉だ…

可愛い孫には、嫌われたくはない。

「うーん、
その子の名前はなんて言うんだい?」

せめて、相手の名を聞いてやらねば。

「え、えぇと…
確か…

うちは…マダラって…

そう言ってたよ?

私なら、
いつでも、家に来ていいって
言ってくれたんだ!えへへ。」

そう言うなり、へにゃりと笑う彼女。

うちはマダラ…

あぁ、そうか…その子なんだね。

彼じゃあ、私は何も言えないな…

「おじいちゃん、だめ?」
そう言って私を見つめてくる彼女。

「はぁああ…」
私は長い溜息を吐いて、
彼女をギュッと抱きしめる。

「ふふふっ!」
キャッキャッと嬉しそうに
足をばたつかせる彼女。

「仕方がないなぁ…君は。

その時は、祝福するって、
君との約束だからね。」

「おじいちゃん…寂しいの?」

「そうだねぇ…

昔は寂しかったけど、
今はもう君のお陰で寂しくないよ。

ありがとう、A。」

私のその言葉に
彼女は優しく微笑んだ。


作者から皆さまへ。→←何処までも繋がる。 前編



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おぼろん(プロフ) - こんそめさん» こんそめさん、こちらこそ貴重なお時間をありがとうございます!数時間もかけてなんて、私だったら途中でギブアップしてしまうと思います…勿論ファンアート大歓迎です!しかし食人さんにも言った通り、あまり無理はなさらずご自分のペースでお描きくださいね。 (2022年4月10日 4時) (レス) id: f5adc93abe (このIDを非表示/違反報告)
食人(プロフ) - おぼろんさん» メッセージ送信ってやつですかね…ありがとうございます!優しい… (2022年3月25日 10時) (レス) @page18 id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - 食人さん» 私のCOMMUの方に送っていただければ、後から「作者から皆様へ」に追加更新させていただきます。ご自分のペースで構いませんので、あまり無理はなさらず気軽に描いてくださいね。 (2022年3月25日 9時) (レス) id: b140951648 (このIDを非表示/違反報告)
食人(プロフ) - おぼろんさん» 重ね重ねすみません😭完成したらどこに送ればいいですかね? (2022年3月25日 9時) (レス) @page19 id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - 食人さん» もちろん大丈夫です!むしろファンアートを描いていただける事なんて滅多にないので作者としてすごく感激してます! (2022年3月25日 8時) (レス) id: b140951648 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年10月15日 22時

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