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ネオヒーローズ編 前編 ページ15

「よっと。」

ゆっくりとある家の前で私は大荷物を下ろす。

別に汗など一滴たりともかいてはいないが
無意識のうちに額を拭う仕草をしていた私。

「これで私が運びこむ物は全部だな。」

しかし、自分よりも一回り二回りも
大きい家具を抱えて歩いていたら、
流石に人目がきついな。

でもこれは何よりも大切なモノ、
店主さんの定食屋の命とも言える厨房設備なのだから傷一つつけてはいけない。

「本来なら引っ越し屋さんの仕事だけど…
流石にZ市の方はどの業者の人も
行きたがらないよなぁ…

これは店主さんも引っ越しを
したがらないわけだ。」

Z市ではビルなども倒壊し果てている中、
続けられないな…と渋々違う場所で
定食屋を開く決意を固めた店主さん。

そこで瓦礫の中からやっと見つけた厨房器具やら
諸々を運び出す必要があった。
だがしかし店主さん本人では到底無理な為に
力のあるバイトの私が手伝いを申し出たわけだ。

「まぁ、私が運ぶから
引っ越し費用もかなり浮いてくれるかな。」

店主さんにはお世話になりすぎている。

これくらいのお手伝いなんて事もないし、
それに彼が喜んでくれれば、私も嬉しいのだ。

真新しい携帯をポケットから取り出して
私は電話をかける。

「あ、もしもし。
店主さん、荷物運び終わりましたよ。
一応、臨時報告です。」

(Aちゃん!

すまんのう…
まさかぎっくり腰になるとは…
歳を取るのは嫌なもんじゃのう。とほほ。)

「いえ、私はなんともないですよ!

というか最初から自分一人で
やろうとしないで下さいよ。
それで腰を痛めたなんて洒落になりませんよ!

店主さんの健康第一ですから、
いつでも頼って下さい。」

(ありがとう…Aちゃんは優しいのぉ。)

「店主さんだからです。
あとは他の荷物が運ばれてくるのを
待つだけですから、
あぁ、何も心配しないで下さい。

私の方で荷物の配置も
全部終わらせておくので。」

電話を切る前に私はしっかりと伝える。

「だから、
早く元気になって下さいね。」

彼と話していると自然と頬を緩むのは、
もう既に私自身が彼に心を許している
証拠なのだろう。

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hiiragi(プロフ) - 更新、いつまでも待ってます😭🫶 (10月14日 3時) (レス) id: 17fc942396 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - ワンパンマンは今も大好きです、また熱が戻って来た時、見直しを兼ねて書き足していこうと考えている所存です。その時にまたどうぞよろしくお願いいたします。そして読者の方々には重ね重ねお詫び申し上げます。 (2022年5月16日 16時) (レス) id: 4417e7e43c (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - ゆゆゆさん» ゆゆゆさん、続きに期待して下さり本当にありがとうございます。この件ですが、ストックは底をつき、新たな話を作ろうにも作者の乏しい記憶力を鑑みると設定崩壊してしまうと考えており続ける事が難しいと見ています。折角の期待に応える事が出来ず、申し訳ありません… (2022年5月16日 16時) (レス) @page35 id: 4417e7e43c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ - 面白いので続きを期待して待ってます!! (2022年5月16日 14時) (レス) @page35 id: 078838462a (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - リンさん» いえいえ、とんでもないです。お話を読んでいただけて、そしてコメントも…作者として本当に嬉しいです!ありがとうございます! (2022年3月8日 9時) (レス) id: b140951648 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年11月20日 20時

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