検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:17,817 hit

人質の心情 後編3 ページ42

「…ありがとう。
ミトさん。」

突然のその言葉を素直に
彼女は受け止めてくれた。

やはり、
ミツハや私が思っていた通りの人だ。

「…晦冥さん。

あの時、私を、
うずまき一族の面目を守ってくださり
ありがとうございます。

あと…

本当に申し訳ございません。
私の所為で晦冥さんに罪を被せるようなことを…」

深く深くお辞儀をした。

自分とは関係のない筈の他一族にも敬意をはらう
こんなにも広い心の持ち主に、
ちゃんとこの気持ちが伝わるように。

「…い、いや、いいんだよ!!
そんな事をしなくてもっ!」

焦りながらそう言って
私の両肩を掴んで無理やりあげると
困ったような声音で彼女は言う。

「そう言うのは…ほら、
求めてないからさ。」

「…で、でも。」

「こっちこそ、ミトさんには
色々不便を強いてしまっているんだ。

あれくらいは当然だよ。」

そう言う彼女の瞳は相変わらず
赤い瞳に戻っていたけれど、
その瞳の赤は突き刺すような赤ではない
とても心安らぐ赤色だった。

「…晦冥さん、」

「ごめんな…ミトさん。」

そう謝る晦冥さんを見て、
私の中の「晦冥」その名の認識が
全てまるっきり変わった。

彼女は闇を支配する
「死神」なんかじゃない。

「晦冥」は人を思い尊ぶことのできる
人なのだと…

「あと…
私の本来の名前、Aって言うんだ。

もしよかったらその名で
呼んでくれると嬉しいよ。」

「はい、ふふふ。

じゃあ…
改めまして私はうずまきミト。

よろしくお願いしますね。
Aさん。」

「…うん、ミトさん。
改めて、よろしく。」

本来、「晦冥」である
彼女との繋がりを持つことで
私にかけられるはずだった呪いの契印は
その指一本たりとも私に触れる事は叶わなかった。

何故ならこの思い、
たった一つによって
私は自分自身も知らぬうちに
その呪縛の連鎖から解放されていたのだ。

これを誰も知る由などないのだけれども…


【お知らせ】

突然ですが、
次の話にて「契印のシステム」についての解説が
少し入ります!

なんかよくわからーんって人、
おられると思うんです。
(誠に申し訳ない…)

そのわからんを少しでも解消出来るように
解説を載せていきたいと思います。

*裏話 →←人質の心情 後編2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
49人がお気に入り
設定タグ:ナルト , 転生 , トリップ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

おぼろん(プロフ) - MAREさん» MAREさん、コメントありがとうございます!遂に…ですね!かなーりマニアックな所まで足を突っ込んでしまわないか心配ですが…こんなに沢山の設定がごちゃ混ぜになっているお話について来てくださり本当に感謝しかないです!これからも期待に沿えるよう頑張ります! (2021年7月25日 23時) (レス) id: cc1232a354 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 続編おめでとうございます!遂に大筒木の一族関連の事が出てくるのか、、。楽しみです!応援しております (2021年7月25日 21時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おぼろん | 作成日時:2021年7月24日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。