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カイメイの記憶 後編2 ページ5

カエデが薬を持ちながら
私にジリジリとにじり寄る。

「では、腰を見せて下さい、」

「っ、い、いやっ!」

「嫌って…子供じゃあるまいし…」

眉を困ったように寄せるカエデだが、
これには私の尊厳がかかっているのだ。

「私が自分でやるから、くっ、」

「少し動くだけでそれでは
どう薬をお塗りになられるのですか?」

「…う、う…でも。」

「駄目です。
暴れるのであればテンリに
押さえつけて貰いますよ?」

押さえつけるって…
仮にもこの邸の主人ぞ?

「…A様、さぁ、
じっとなさっていてくださいね。」

「わかった!わかったから!!
ジワジワと近づいてくるなっ!

テンリっ!カエデ止めて!」

「えっ?!私ですか!」

「ほかに誰がいる?!」

どちらサイドに着くか迷い、
キョロキョロと視線を動かすテンリ。

そんな彼にカエデは言う。

「テンリ、止めてもらわずとも結構。

A様には無理をするとどうなるか、
それを知って貰わねばならないのですから!

あなたもそう思うでしょう!」

「…はい…A様には
あまり無理はして欲しくないですし、」

「では、テンリ。
丁度良い機会です!

さぁ、私と共に。」

「そ、うですね。カエデ様。」

簡単に絆されてしまうテンリ、
流石カエデが彼の師匠なだけある。

「この裏切りものっ!」

私は涙目になりながら、
そう冗談混じりに叫ぶ。

こんなふざけた時間であろうと
あの不思議な夢のおかげで
まるで何かしこりを残すような感覚
私はずっと感じていた。

少しずつ私の中に溜まっていく違和感、
それに知らぬふりをした。

裏話 大筒木の役割→←カイメイの記憶 後編



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おぼろん(プロフ) - MAREさん» MAREさん、コメントありがとうございます!遂に…ですね!かなーりマニアックな所まで足を突っ込んでしまわないか心配ですが…こんなに沢山の設定がごちゃ混ぜになっているお話について来てくださり本当に感謝しかないです!これからも期待に沿えるよう頑張ります! (2021年7月25日 23時) (レス) id: cc1232a354 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 続編おめでとうございます!遂に大筒木の一族関連の事が出てくるのか、、。楽しみです!応援しております (2021年7月25日 21時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年7月24日 19時

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