家族 中編2 ページ33
だが…私はどうやら
置いていきたくはないと思うのと同時に
二人には死んでほしくないとも思っているらしい…
矛盾した感情に少し顔が歪んでいた。
「A様？」
「どうしました？
やはり、何処か悪いところが？」
「あ、あぁ…ごめん。
なんともない…本当に
二人には心配をかけてしまった…」
内心は勝手をした私に対して怒りの
感情もあるだろうに、
こういう時、
彼らは私への心配を優先してしまう。
とても忠実でそして優しい彼ららしい、
反応と言えるのだが…
「はぁ、とにかく…
一人で…全てを終わらせるなんて、
そんな阿呆な事は決してしないでくださいね。
その契印だって、」
「あ…カエデ。
その事、なんだが…」
「…？」
「これは…もういいんだ。」
ピシリと固まった彼らに
私は契印がある腕を触りながら
苦笑いしか返せなくなる。
「契印の事で、
もう二人に負担はかけない…」
「ど、どういう風の吹き回し…で、」
「やはり私がいないところで
頭でも打たれて…」
二人してオロオロと狼狽え始める。
当たり前だ。
だってたった短い時間で
まるっきり主張していた意見が変わったのだから
こうして彼らが混乱してしまっても仕方ない。
「ごめん、
二人の事を振り回してしまって…
でもな、この契印に対して
少しだけ考え方が変わったんだ。」
「そうですか…」
伊達に長い付き合いをしていない。
いち早く何かに気づいたカエデは
私に落ちついた様子で言う。
「ではA様。
その理由を…聞いても宜しいですか？
それが、
諦めの言葉ではないと
ちゃんと確認したいのです。」
「うん、勿論だよ…カエデ。」
私は少しの間を置いてから
ゆっくりと口に出す。
これまでのこの契印が辿ってきた道筋を。
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» MAREさん、コメントありがとうございます！遂に…ですね！かなーりマニアックな所まで足を突っ込んでしまわないか心配ですが…こんなに沢山の設定がごちゃ混ぜになっているお話について来てくださり本当に感謝しかないです！これからも期待に沿えるよう頑張ります！ (2021年7月25日 23時) (
レス) id: cc1232a354 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 続編おめでとうございます！遂に大筒木の一族関連の事が出てくるのか、、。楽しみです！応援しております (2021年7月25日 21時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年7月24日 19時
