カイメイの記憶 中編2 ページ3
子孫を守りたいならば…と
彼は忠告する様に繰り返す。
「いいか？
尽力はする。
だがしかし、
お前も必ず奴らを迎え撃てる
万全の準備をしておくのだぞ？
それがお前の役割だ、カグヤ。」
「あぁ、わかっておる。」
「…わかっていれば良い。
ではな、俺は行く。」
立ち上がった彼の目の間の空間に
突如としてポッカリと大きな亀裂が出来る。
「もう行くのか。カイメイ。」
「何だ、まだ何かあるのか？」
呼ばれると必ず彼は
こうして足を止める。
これが大筒木カイメイの弱さであり、
優しさでもあるのだろう…
「お主とこうしてまた会えた事
そう悪くはなかったぞ。
これからは親役、子役ではなく
ただのカグヤ、そしてカイメイとして、」
「生憎、
もう俺はお前とは会うつもりはない。」
「…そうか、」
彼女は既に悟っていたこれが
最後になるだろうと。
「だがな…カグヤ。
俺も思うぞ。
繋がりとは…なんとも良いものだな。
時たまに苦しく、
そして喜ばしくも感じる。
お前は俺よりも人間の事を知っている。
故にこの気持ちもわかるのだろう？」
少し思いを馳せるように
彼は空へと息を吐く。
「親役子役などと
我らは大筒木の風習を
仰々しく呼んではいたが
所詮は、
つまらぬ物だと悟った。
本当の繋がりはそんなくだらぬ物では無い。
カグヤ、お前はどうか知らないが
お前とは本当の繋がりを持てたと…
そう俺は思っている。」
「…！」
「お前が持つその繋がり、
離さず他へと繋げて行くといい。」
その言葉を最後に視界が暗くなり、
何も見えなくなった。
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» MAREさん、コメントありがとうございます！遂に…ですね！かなーりマニアックな所まで足を突っ込んでしまわないか心配ですが…こんなに沢山の設定がごちゃ混ぜになっているお話について来てくださり本当に感謝しかないです！これからも期待に沿えるよう頑張ります！ (2021年7月25日 23時) (
レス) id: cc1232a354 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 続編おめでとうございます！遂に大筒木の一族関連の事が出てくるのか、、。楽しみです！応援しております (2021年7月25日 21時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年7月24日 19時
