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契印の繋がり 前編2 ページ30

今や、右腕まで広がった
禍々しい異様な雰囲気を放つその契印。

「…、」

「確かにこの契印は
あれとの繋がりを意味します。

ですがそれ以外にも…
私達とA様の繋がりでもあるのです。」

「…!」

「テンリはその繋がりを
とても大切に思っています。

その繋がりが無くなる事は
それこそ死と同等な事のように…」

「…あー…」

最初から繋がりすらを
作らなければ良かったかのような
私の言葉。

それが彼に刺さらない訳がない。

「他でもない貴方様の言葉ですから…
テンリは。」

「ごめん、本当にごめん…」

私はテンリへのあまりの申し訳無さから
両手で顔を隠す。

いや片方はないから半分しか
隠せてない訳だが…

「で、でもさ、

カエデ…でも…やっぱり私は、」

つまりつまりになりながら
出てくる私の言葉、
それを止まったのは突然、
視界が暗くなったからだった。

「A様。」

私を抱きしめながら
カエデはつぶやく。

「貴方には人の為を思って
行動できる強さがある…

しかし同時に自分の中に寂しさという
弱さを兼ね備えていて…

自分の身を削るそのお姿、
とても見ていられません。」

「っ、」

「わかっております。
少なくとも私は今までの貴方様を
この両目でしっかりと見ていましたから…

この契印をあの方々に
引き継がせない為に
わざと突き放したのでしょう?」

「…、」

知っている、
この声に表せない気持ちを…

理解してくれる人がいる。

「う、うぅ…だって…そうだよ…」

一人で苦しんでいる訳じゃない、
そう思えた途端に崩壊線が緩んで、
涙と共に嗚咽が出て来た。

「本当だったら…マダラ君達と
話だってもっとしたかった…」

「はい。」

そうですね、と私の背中を
優しく撫でながら肯定してくれる

「もし、もしも…
私が晦冥になんかならなければ

普通に…普通に
ただのAとして生きれてたんだ…

戦争にだって…別に
加担なんかしたくなかったし…
誰かが死ぬのも…見なかった。

いつあいつに殺されるのか
怯える人生なんか…

もう嫌だ…」

溢れる本音を全て受け止めて
彼は頷いた。

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おぼろん(プロフ) - MAREさん» MAREさん、コメントありがとうございます!沢山オリキャラを出しすぎて皆さんの中でごちゃごちゃになってしまわないかとても心配だったのですが、楽しく読んで頂けているとの言葉、安心しました!楽しくお話を書き続けて行けるのも全て応援のおかげです!頑張りますね! (2021年7月10日 17時) (レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 続編おめでとう御座います!オリキャラも段々出て来て、ストーリーも進んでとても楽しく読ませてもらってます。 これからも頑張って下さい! (2021年7月10日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年7月4日 14時

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