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懐かしき気配 前編3 ページ3

「どうしても、さ…

生きる為にあの人達の死を
私が利用しているんだと思うと…」

口から出した
その言葉達は少し震えていた。

「なんか…すっごく胸糞悪くなるんだ。」

「晦冥様…

そこで手を下されずとも
必ず、戦争は起こり、
死ぬ者は死にます。

それに対して、
貴方様がお心を痛ませる
必要もないのです。」

「そんな事…言われて、
この感情をどうこう出来るほど、

単純な人間じゃないんだよ、私は。」

「そうですね。

しかし…
貴方様の忠実なる家臣から
言わせてもらいますと、
感情論で動かれてしまわれては…

後々が結構、大変なのですよ。」

「…、」

カエデ達を私の思いで
振り回してしまっているのは、確実。

今回の件も例に漏れず、
多くの関係者達を驚愕させ、
狼狽えさせてしまった。

「ごめんな。」

「何を謝る必要があるのですか。

それが貴方様なのですから、
今更でしょう?」

「でも、迷惑かけてる事は…」

「私達は今までの晦冥様とは
違う貴方様のそう言う所が
どうしようもなく好きなのです。

合理的な判断がたまに
出来なくなるその感情豊かな貴方様が…」

再確認とばかりに彼は
私の手を優しく包むと
片膝をついて目線を私と合わせた。

「それに。

A様のご命令を実行するのが、
私達ですので。」

何度も何度も、
私が不安に陥る度に
彼はそう繰り返し言う。

「そうか。」

だけども私は
かなりのマイナス思考な上に臆病なので
しつこいほど、彼に聞いてしまう。

おいてかないで、と…
内に潜める弱さを言葉に滲ませて。

「…、」

前世でも弟に同じ感覚を抱いていた、
それに似てるとふと気がつく。

何度も繰り返しているのか、私は、

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おぼろん(プロフ) - MAREさん» MAREさん、コメントありがとうございます!沢山オリキャラを出しすぎて皆さんの中でごちゃごちゃになってしまわないかとても心配だったのですが、楽しく読んで頂けているとの言葉、安心しました!楽しくお話を書き続けて行けるのも全て応援のおかげです!頑張りますね! (2021年7月10日 17時) (レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 続編おめでとう御座います!オリキャラも段々出て来て、ストーリーも進んでとても楽しく読ませてもらってます。 これからも頑張って下さい! (2021年7月10日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年7月4日 14時

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