恋とは盲目 中編2 ページ13
「しかしA様、
数刻後にはテンリが腕の良い医療忍者を
連れてくるとの手筈でございます。
それまではどうぞ安静に。」
「う、うん。ありがとう…」
「いえ、私には何もできませんでした。
誠に申し訳ございません。」
「カエデ…」
自分を責めるな、と
意味を込めた言葉に彼は眉を下げて答える。
「わかっております…
A様はとてもお優しいお方ですから、
でもこれは私自身の戒めと言いますか、」
「はぁ…戒めは戒めでも、
本当に馬鹿な真似はしないでよ。
それこそ私みたいに右腕を斬るとか、」
「っ、」
彼の反応に私はガバっと痛む体を
お構いなしに起こす。
「カエデっ、いいか？！
絶対に！そんな真似は何があっても
するんじゃないぞ！
これは晦冥命令だからなっ！！」
「…わかりました。」
「うん、絶対に守れよ。」
「はい、」
彼はそうポツリと答えると、
私が休めるようにと、部屋を出て行った。
「…はぁ、全くカエデは…」
忠誠は有り余るほどある、
だけどそれで自分をついつい
責めすぎるのがいけんな。
「…、」
いやしかし、
安静にとは言われたが…
気になるものは気になる。
恐る恐る布団から
痛む腕を出して見た私。
「おぅ、契印も持ってけよ…」
綺麗に包帯は巻かれているが
右手はそっくりそのままなくなっていた。
そして前までは手首にあった契印は
私の上腕にまで広がっていた…
もう流石に包帯で隠し切れない。
「はぁ、」
無いものは無い、
きっぱりと諦めるべきなのだ。
これからはこの腕に慣れて
行かなければいけないだけだ…
「諦める事は得意だろ…A。」
そう一人ごとを自分に
聞かせるように呟いた。
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» MAREさん、コメントありがとうございます！沢山オリキャラを出しすぎて皆さんの中でごちゃごちゃになってしまわないかとても心配だったのですが、楽しく読んで頂けているとの言葉、安心しました！楽しくお話を書き続けて行けるのも全て応援のおかげです！頑張りますね！ (2021年7月10日 17時) (
レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 続編おめでとう御座います！オリキャラも段々出て来て、ストーリーも進んでとても楽しく読ませてもらってます。 これからも頑張って下さい！ (2021年7月10日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年7月4日 14時
