檻からの抜け出し方 前編2 ページ2
「無理…です…
ヤバい、漏れそう…」
「はぁ？！」
「そこ、何かあったんですか？」
その時、私との話に一人、
少し身なりが良さそうな男入ってきた。
「！」
その男を見た途端に
狼狽える様子を見せた辺り、
この中では偉い人なのだとわかる。
「何か問題があったのですか？」
「いえ！
ただなんか此奴が突然、
厠に行きたいって言うもんで、」
「厠？
それは…許容出来ませんね。
子供であろうと何をしでかすか
わからないですから。」
「でも、こいつ…
何も血継限界も持ってない餓鬼ですよ。」
「…何も？
待ってください、
何故そんな子供を？」
「…野宿しているときに、ついでで…」
「はぁ、何度もカイメイ様は
仰っていたでしょう。
そんな子供、
何人居たとて意味がないと…
珍しいからこそ、
客がこぞって買うというのに…」
あまりにも勝手な事を
言われている気がする。
「はぁ、しかし攫って
来てしまったものは仕方ない。」
「へい、すいません。」
そう言ってため息を吐きながら
私の方を同時に見る二人。
「平凡で悪かったな…」
そのタイミングを見計らって、
私は自分の瞳を万華鏡写輪眼へと変えた。
「「っ、」」
ハッとした頃にはもう遅い。
彼らの瞳と私の瞳の視線が合わさり
彼らはまるで生気がなくなったかのような
表情へと変わる。
「おぉ。」
はっきり言ってこれは、
一か八かの試みだったので、
内心成功するかドギマギしていたが…
「写輪眼って便利ぃ…フフフ。」
上手くいってくれた嬉しさから
私はそう小さく笑う。
「よし、お前、
デカイ図体の方は私と一緒に厠だ。
あと、お前…なんか偉そうな奴は…
えー、まぁ、周りに怪しまれないように
行動しとけばいいんじゃない？」
コクンと頷いた彼ら、
次の瞬間、また瞳に光が戻る。
だが決定的に違うのは、
私が命令した行動を取っているという事だ。
「君は…一体…」
その一部始終を見ていた後ろの彼は
唖然とした表情を私に向ける。
「ちょっとした、
もんを使えるだけだよ。
あ、そうだ。」
そんな彼に私は手を差しだした。
「君も一緒に来る？
こういうの連れションって言うんだっけ？」
あ、いや…それは駄目か。」
そういえばこの子、男の子だし。
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます！続編来ました！週末投稿でペースはいつもよりは遅いのですが、これからも続けていきます！ (2021年6月23日 17時) (
レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 何時の間にか続編が出ていた、、、、おめでとう御座います！！ (2021年6月23日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年6月19日 15時
