大嘘つき 中編 ページ48
「そのお前の両目の写輪眼は…
お前の中にうちはの血が混じってる証拠だろ。」
少し重めの声音でそう答えるマダラくん。
「お前が隠して山に籠ってたのも…
それが理由だったんだな…」
彼が何やらかなり重めな現実のように
受け取っている中、
反対に私は夢見心地だった。
写輪眼…うちはの血…
よっしゃああああ！！！
私の転生、
特典付きやったぁああああ！！
「ありがとう…神様。」
「…何か言ったか？A？？」
「いや、なんでもない。」
いけない、いけない…
歓喜で今にも叫びたい気分だったが、
流石にそんな愚行
人前で晒す訳にはいかない。
家であればしていたかもしれないが…
「というか…此処何処？
何にも見えないんだけど、」
「此処はうちは邸だ…
見えないのは…す、すまない…」
「…、何か包帯…巻かれてる？
目、怪我してないとは思うのだけど、」
「マダラ…こんな所に居たのですか。
入るなと言ったはずですが…」
(え？誰？)
急に聞こえた大人のものらしき
丁寧な口調の落ち着いた声。
「父上…」
ふと私の手から彼の手が離れた。
「…この包帯を外して下さい。」
「マダラ、それは出来ません。
いくらうちはではない血が
混じっていたとしても…
その目を持つなら尚更です。」
「…しかしっ、Aは何も！」
「マダラ、
お前は知らないかもしれませんが、
彼女はうちはの抜忍の子です。
抜忍には何の処罰がくだるか
わからない訳じゃないでしょう？」
「っ、」
「抜忍の子は同じく、
抜忍として同等の罰が降るのが自然の摂理。」
「でも、そんなのおかしいっ！！」
「それはお前の個の意見です。
それが今まで続けられて来た我らが
うちはの鉄則、変わることはありません。」
「っ、」
「…はぁ…」
何やら二人で勝手に
盛り上がってしまっているようだが…
私には何がなんだがさっぱりなのだが…
「あの…なんか親子の会話に
水さしてしまうようで悪いんですが…
一体…お二方は何のお話を
されているんでしょうか？」
大人にしゃべっている所為か
緊張してしまい敬語に
なってしまっているが、
わかってはいるとは思うが
私はコミュ症だ…これは仕方がない事なのだ。
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年5月4日 16時
