ただの仲良し 後編3 ページ26
柱間視点
「しょぼい？
マダラくん。
先任の人達があらゆる知恵を
振り絞った故の忍術でしょう…
それをしょぼいなんて
あまりにも可哀想だ。」
「…A、水遁の術は
こうして印を結ぶんぞ。」
少し俺がやって見せると彼女は
ハッとしたかのような表情を見せる。
「あぁ！それか！そっちねー！」
「はぁ、驚かせんなよ。
流石に忍術も知らないってことはある訳、」
「ハハハ、二人とも、
さては某アニメの大ファンかぁ！
いやぁ、実は私も好きだったけど、
連載終了しちゃったんだよね…
最後はまぁ良い終わり方したけど、
それでもねぇ…
でもどうして君たちも知ってるのか謎なんだけど？この時代にもあるの？ナルト。」
果てには訳がわからない事まで言う始末。
「お前…一体、どうやって
此処まで生きて来たんだよ…」
「マダラの言う通りぞ…」
「…？いや、そんなこと言われても、
普通に？？」
此処に暮らしているだけで
ここまで現世を知らずに育てれる物なのか？
いや、そんなことはあり得ない。
彼女が赤ん坊の頃から一人で
生きていける筈がないのだ。
必ず彼女の両親であろう人間が居たはずで、
たとえ既にもう故人だったとしても
少なからずこの世界の事、戦争の事、
そして忍びの事を
生きる術として…
世界の基本を教えているはず…
でなければ、
何も知らないまま此処まで
彼女が生きていけるはずがない。
「それはまぁ、置いといて…」
ぱんぱんと彼女は小さく手を叩くと
話を中断させる。
「マダラくんも柱間くんも、
こんな暗い中は私として家に返せないから。
少し親御さんに
心配かけてしまうかもしれないけど…
やっぱり今日は泊まっていきなよ？ね？」
この世界の穢れを知らない純粋な瞳で俺たちを見ながら、
まるで自身の家族を心から心配するような声音で彼女はそう言ったのだ。
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年5月4日 16時
