滅亡を求む不死身な転生者 第十章【NARUTO】

思い出すその記憶　後編 ページ36

ハッと目を覚ました私、
飛び起きた瞬間、ガツンと頭にかなりの衝撃が走った。

「〜っ？？！」「っ、」

痛みに悶え苦しんでいたのは私だけでない…
丁度、顔を覗き込んでいたらしいナナシもだった。

「イッテェ！！
アカ、お前…急に起きるとか、ねぇだろ！」

「いや、お前こそ寝てる俺に
何しようとしてたんだよ…ナナシ。」

「違うわッ！！勘違いするなよっ！
俺はお前がうなされてたから優しさから
起こしてやろうとしただけだ！！」

「あ…あぁ…そうだったのか。」

私の反応に不貞腐れた様子のナナシ。

「チッ、
俺の膝も貸してやったって言うのに…
うなされた挙句に頭突きするとか…」

十中八九うなされた理由はあの夢だ。
夢の割には妙にリアルだったし…

「…。」
ブルリと震える肩を気にしてナナシが
私に聞いてきた。

「で、どうしたんだ？
お前、大丈夫かよ。」

「あぁ、ちょっとお前の膝が
固かっただけだ。」

「なっ？！そんな言い方ないだろっ！」

かーっと顔を真っ赤にしたナナシ、
別に本当に固かった訳ではないが…
話を逸らすための言い訳を本気に
とってしまったようで何かと申し訳ない。

「それに俺は暗部なんだから、
足くらい鍛えてるに決まってんだろ！

お前みたいな弱々しい
体つきしてねぇんだよ！」

「はぁぁ？？」
だが、あまりの言いように
私はついつい言い返してしまった。

「俺は女だから、
男みたいに筋肉つきにくいんだわっ！！

だけどな、それよりも
ずっとお前よりも柔軟性あるから！
暗部の暗殺系では
そっちの方が断然有利だから！！」

「なんだとっ！
前にお前を友達の前で
褒めてやった恩を忘れたかっ！」

「言うけど！
あれは言わなくて良かった言葉だかんな！
はっきり言って迷惑っ！！」

「あーーー！！
言ってはいけない事言ったなぁああ！！」

まるでエリートが集う暗部とは
思えない私達のやり取り。

しかしこの陽気さのおかげで少しは
あの夢に対する思いも忘れられた。

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