書類くらい自分でやれ 前編2 ページ9
「こんな事も…載せるのか？」
そんな疑問がつい口から出てしまうほど、
イズナの文章には驚嘆した。
歴史からチャクラ応用など…
この世界の一般教養だけではなく
かなり幅広い知識を詰め込んでおり、
うちは相伝の物なども中には存在している。
これをアカデミーの授業内容に組み込もうとしているのだからかなり気前が良すぎるんじゃないか、と心配にさえ思ってしまう。
「聞いて…みるか…」
確実にうちはにとっては
不利なのではないか？
一時は戦争をしているであろう相手に
自分達一族に伝わっていた教訓が伝わることを良しとしているのか？
あらゆる不安や疑問とともに…
ふとマダラと話していた時の事を思い出した。
(うちはは…
このままではこの国に淘汰され行くのではないか…とさえ俺は思っている)
確か…そう言っていたマダラ。
「あぁ…そうか。
そういう事か。」
此処で私はやっと気付かされた。
きっと…
イズナもその事実には
既に気づいているのだろう。
誰よりもライバルとして
扉間の側にいた人間であるイズナが
気づかない筈がないのだ。
そしてそれpは、うちは一族が総出で納得してしまった事によってもう変えようがない決定事項になっている。
だからこそ、
こうしてうちは自身の教育を曝け出し、
未来を託す子供達に取り組ませる事で…
「うちは」という存在をこの国の深い部分に残そうと。
「よく考えているものだな…くくく。」
喉の奥から笑い声が出る。
何だ…何方もかなりの策略家じゃないか。
マダラ…
これ程までにして
食らいつく一族である「うちは」が…
この国から消える事は一生ないだろうな。
心の中で誰にも聞こえぬように
そう彼に語りかける。
「どうしたの？A？」
あまりにも不審に笑っている私を心配する姉さん。
「いや、ふふふ…何も。
それよりもこの教科書、
なかなかに面白いな。」
私はまたうとうとし始めている柱間に
巻物を投げる。
「？？何ぞ？」
今回は運良く反応できたようだ、
パシッと彼は巻物を手に掴むと広げる。
「柱間、それに承認のサインを頼めるか？
忍者アカデミーとか言うものの内容だが、
案外悪くないと思うんだ。」
ささっと目を通す彼、
ちゃんと全てを読めていたかは不明だが…
「了承したぞ。」
そう言って頷くと彼は自身のサインを
その巻物に書き記した。
その仕草を私は
最後の最後まで見届けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
