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懐かしの国へ 後編 ページ47
まるで付け足す様な形で
私は焦りながら言葉を出す。
「あぁ、だが勿論、
お前が良かったらの話だが…」
過去の思い出が残る渦の国。
つまりはアキトの兄、カイト
との思い出が色濃く残る場所でもある。
殺されかけたこともあるアキトとしては
里帰りもかなりキツく
感じてしまうかもしれない。
しかし彼は言った。
「僕もAさんに
ついて行っても良いですか？」
「だ、大丈夫なのか？」
私のその言葉はアキトだけではなく、
きっと自分自身にも向けた言葉だった。
正直言って、私にも不安な所はあった。
渦の国での私の過去は
必ずしも良いものばかりだなんて
到底言えなかったのだから…
「はい、過去を思い出して、
もう一度見つめなおしたいんです…
今の自分を。
だから…僕も良いですか？」
そう力強い目で語るアキトに
私は頬を緩ませた。
「あぁ…勿論だ。」
お前は強いな、
アキト。
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