前途多難な子供達 前編 ページ37
手紙を貰い大慌てするのに数分、
必要なものを用意するのに数日、
そしてここまで来るのに丸一日…
イズナが先生らしく教壇に立っており、
かくいう私も一緒に横並びで立たされていた。
「はーい、
今日は医療機関から
特別に来てくれた臨時の先生で、
それに火の国のだい、」
「Aだ。」
「ちょっとA、
俺の言葉遮らないで貰える？
今、僕が紹介してる途中だったんだけど。」
「…。」
(お前が余計な情報、口走りそうに
なってたからだろうがぁああ？？！)
扉間とイズナが無事忍者アカデミーを
開催出来たのは良い、喜ぶべき事だ…
だがどうして此処に
自分も居るのか理解が追いつかない。
ただ新しく建設する為の施設の視察に
来ただけと言うのに、
途中でイズナに捕まってこの様。
「A先生！」
そう言って一人の茶髪少年が挙手する。
「なんだ？」
「あのっ、
今日は何をするんですか？」
キラキラとした瞳で私を見てくる子供達、
しかし悲しいかな、
それも直ぐに潰えることとなる。
「そうだな…授業とは言っても、
今日はチャクラや人体の仕組みについて
簡単な事から初めていく。」
「「「えぇ〜？！！」」」
「今日は解剖するとか聞いてたのにぃ…」
「私は怪しい薬の実験って聞いてたわ！！」
何やら色々と想像を膨らませていた所悪いが、
そんな身分不相応極まりない事を
まだ幼い彼らとするわけがない。
(俺も君達とこうして
授業するとか聞いてねぇんだよ。)
「いいか？
基礎はどの分野に置いても大切だ。
医療なら尚更なんだ。」
「でもそんなのつまんないです！！」
「そうだ、そうだ！！」
「はぁ…
どうせなら俺も口で言うよりかは
体で覚えさせる方が早いと思うんだが…」
だが、そんなやり方で
この子供達が耐えられるとは、まず思わん。
「じゃあそれが良い！！
基礎なんてつまんないですッ！
そんなものやっている内に
身についていくもんじゃないですか？」
「右に同じだ。」
「私もヒルゼンと同じ意見です！」
元から大きな声を更にあげて
私に抗議なんてモノをし始める。
何とも元気が良い子達だ。
しかし全ての近道が良いと
思い込んでいる節があるな？
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