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書類くらい自分でやれ 中編2 ページ11
「Aが帰っちゃうのは寂しいけど…
でも…また来てくれるのよね、」
私の手を包みながら彼女は
少し俯きがちでそう聞いてくる。
私はそんな彼女を安心させるように
もう片方の掌で包み返す。
「あぁ…姉さんの式の日には必ず。」
「ふふふ、
それならその日まで待つわ、私。」
そう言って彼女は微笑んだ。
まるで遠距離恋愛中のカップルみたいな感じだが…私達は姉妹だ、断じてそういうんじゃない。
「じゃあ、」
アキトはもう既に馬車に乗っていたようで
私も、と馬車に足をかけて扉を潜ろうとしたその時、
「あ〜！！待って待って！
A、アキト！」
少し遠くからそんな声が聞こえて来た。
「イズナさん！」
それとほぼ同時に嬉しそうに
横窓から顔を覗かせたアキト。
声が聞こえて来た方に振り返ってみると
二人の黒い人影が見えた。
「おい、イズナ！俺は別に、」
「何言ってるの、兄さん！
すごく見送りしたそうにしてたじゃないか、
だから俺もって、」
「しておらんわ！！」
「えー？そんなわけ、」
どうやらイズナが無理矢理引っ張るような形でマダラを連れてきているようだった。
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