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布団の中から出たくない 後編 ページ21

「失礼するぞ!」

そんな大声と共に、スパンと開いた襖。

(え?)

その声を聞き、
それに加えてお構いなく近づいてくるその足音に、私は体を強張らせた。

(どうして、どうして…
此処に入ってくるんだ?!)

此処にはクソ親父も絶対に入らせない。

この部屋はクソ親父の本妻であるお母さんの自室で、
しかも私と言う隠しておきたい子供が普段住んでいる部屋でもあるのだから。

つまり、勝手に入って来た?!

「大丈夫かっ!」

バサっと布団をひったくられ、
これは現実なのだなと、覚悟する。

そして私は閉じていた目を薄らと開くと、
目の前には、黒髪のおかっぱ少年。
あの漫画で見たその姿そっくりだった。

「千手…柱間…」

「俺の事を知ってるのか?」

「っ、」
ハッと気づいて口を閉じたのだが
時既に遅し、いかにも柱間は興味しんしんと言った感じで私を見ていた。

「う、うん…まぁ、どっかで聞いた…でも、もう忘れたな、うん、それだけ…」

顔を逸らして、
ついでに話も逸らすつもりで私は答える。

「はっ、それよりも、
その腕、足!!大丈夫か?!」

「あ、えぇと、これは元からなんで…」

「違うぞ!そうじゃなくて…
あ、いや、でもそれのことだが…」

「あの…。」

それよりも早く布団を返して欲しい、
こんなにも寒いんだから、と
私が自分の体を見た瞬間、絶句する。

私の両腕、両足から、
赤黒い血が今も絶え間なく滲み出ていたのだ、
そして布団の上の赤い滲みは広がり続けていた。

「はっ、え?!血…これ血なの?!」

柱間が言っていたのは私の手足がない事ではなく、この血だった事に気づく。

まさか、傷口が開いたのか?
何年も前にしっかり閉じたのを
確認したと言うのに?!

なんで、今?!

私の慌てように柱間も心配そうな顔をする。

「そ、そうみたいぞ…だ、大丈夫か?」

その質問に答える場合じゃない。

「ど、どうしよう…私これ、
もしかすると出血多量で死んじゃう…?」
私が顔を真っ青にしながらそう言うと、
柱間も私同様、顔を青くする。

「し、死ぬっ??大変ぞ!!
そうぞ!止血!
止血する為の包帯は何処ぞ!」

「え、包帯…私、知らない…」
お母さんがそこら辺の全て管理している、
私が知る事じゃないのだ。

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作品ジャンル:アニメ
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます!!ジョジョも大好きなので、どうしてもジョジョネタをぶっ込みたかったんですwww面白いと言ってくれて本当に嬉しいです! (2020年12月13日 15時) (レス) id: 1ee1bd2324 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 面白かったです!初っ端のジョジョネタで笑いましたww主様とは気が合いそうですw (2020年12月13日 10時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!!いくつも掛け持ちしてるので申し訳ないです。他のと両立できるようにがんばります!! (2020年11月28日 6時) (レス) id: 32dbdc0bea (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - おお!今度はナルトですね!おぼろんさんの作品のナルトはとても面白いし他にはない作品なので、とても嬉しいです!これからも楽しみにしてます! (2020年11月27日 21時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年11月27日 9時

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