過保護な母親のせいで外に出られん 前編 ページ16
あれから何年かたち、
幾つもの季節が移ろいで、
私のお母さんと同じ真っ赤な髪は
腰ほどまでに伸びた。
またあの季節が来る前に、
一度外に出ようと私は縁側で
自身の義手、義足を手入れしながら外の景色を見渡す。
遠くの山はまるで燃えているかのように、
真っ赤に紅葉して、
うずまき一族の髪のように綺麗な色合いをしていた。
そんな綺麗な景色の中、少し遠くの方の山でいつものように何本か狼煙が上がっていた。
(戦争かなぁ…あんなに沢山の狼煙…
案外大きな一族同士の奴かもなぁ…)
そんな事を軽く思いながら、
でも自分が生きている世界には全く関係のない事だと、私はすぐに切り捨てた。
「A、A？一体、どこに居るの？」
「あ！お母さん、ここに居るよ。」
今日もいつものように私の名前を呼ぶその声に、
少し舌足らずだがちゃんと返事をして返す。
その瞬間、
ばさっと抱きしめられるようにして、
私は着物に包まれた。
「ちゃんとあのお部屋にいないと駄目じゃない！
貴方、また、この母を心配させたいの？」
「う、ううん。ごめんなさい。」
チラッと着物の裾から見えた
母の病的な程までに細く白いその手首には
目立つであろう、幾千もの細く赤い線のような傷跡。
生命力が高いうずまき一族は簡単には死ねない、それを言わずとも物語っているようで見るたびにぞっとする。
「お母さん、少し紅葉を見たかった…だけで…」
「前にも言ったはずよ、A。
外の世界は何が起こるのかわからないのよ。
その動きずらい体の貴方に何かあったら、
この私以外に誰が貴方を助けると言うの？
だから、必ず…ずっと私の側に居ないと駄目。わかったわね？」
有無を言わさないお母さんの圧力に
私は心の片隅でおかしいと思う気持ちに蓋をする。
「う、うん、わかった。」
「ふふふ、私の可愛いAは本当に良い子ねぇ。」
納得したかは兎も角、私が肯定したと言う事に彼女の表情は笑顔に変わる。
わかってる、彼女がどこかおかしくなっていると言う事は。
でも、私が彼女に反論すると
きっと取り返しのつかない事を仕出かす、
そうひしひしと感じた。
それだけは嫌だったんだ。
過保護な母親のせいで外に出られん 中編→←ただ今雪の中、誰か助けてください… 後編
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます！！ジョジョも大好きなので、どうしてもジョジョネタをぶっ込みたかったんですwww面白いと言ってくれて本当に嬉しいです！ (2020年12月13日 15時) (
レス) id: 1ee1bd2324 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 面白かったです！初っ端のジョジョネタで笑いましたww主様とは気が合いそうですw (2020年12月13日 10時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます！！いくつも掛け持ちしてるので申し訳ないです。他のと両立できるようにがんばります！！ (2020年11月28日 6時) (レス) id: 32dbdc0bea (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - おお！今度はナルトですね！おぼろんさんの作品のナルトはとても面白いし他にはない作品なので、とても嬉しいです！これからも楽しみにしてます！ (2020年11月27日 21時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)
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