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お友達?? 中編 ページ37

「Aは色々と煩いのね。」

口の端に食べカスをつけた奴が
何を言ってやがる。
美人だからと言ってなんでも
許されるとは思わないで欲しい。

私は仕返しとばかりに言いかえす。
「レイコさんは随分と…
色々なっていないようですね。」

「ん?そんな事ないわよ。
これでも私強いのよ?」

「いや、そんな事
一ミリたりとも聞いてねぇよ。」

彼女と話していると色々と狂ってくるのだが…
未だになり続ける腹を押さえて私は堪える。

「Aも食べればいいじゃない。
ほら、これ案外美味しかったわよ。」

あげると出された一つの茶菓子。
朝食を食べ損なった私にとっては何よりも美味しそうに見える。

うぅ…堪えろ…堪えるんだ、私。

「はぁ…どうせこれを食べる人もいないのよ?
腐った方が勿体無いわよ。

じゃあ、いらないのなら私が食べようかしら。」

「…。」

もっともな事を言いながら
あんぐりと口を開けて
その菓子を食べようとしたレイコさん。

その悪魔のような選択肢に
私の手はいつのまにか動いていた。

「美味しい?A?」

私の顔を覗き込んでそう聞いて来た彼女に
私は答える。

「ん…いや、わかんねぇ。」
罪悪感の方が勝って、
味なんて微塵ともしなかったのだ。

その時、コツリと、
いやもっとゴッと言った方が正しいかもしれない。

「い゛っ、で。」

そんな衝撃を頭に突如感じた。

「やーい、やーい!
あいつまた此処に来てるぞ!!」

そう少し遠くで聞こえた声、
ギャハハと汚く笑う声も聞こえた。

「何もない場所で、こいつ一人で喋ってたんだ!」

「うわぁ、ヤバい奴だな!」

墓石の隙間からチラッと顔を覗かせ見えたのは、
私達と同じような年の奴らが
ニタニタと笑いながら石を投げて来ていた光景。

つまり、さっき私の頭に直撃したのは、
彼らが投げたその石ころ。

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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年11月5日 22時

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