私を覆う恐怖 中編 ページ47
怖い、まだ死にたくない。
自分ではコントロールできないその力を
自身の体で実感しているからこそ
死と言うその存在をもっと近くに感じれた。
「っ、」
途端にみっともなく震え出す私の手。
(落ち着け…落ち着けよ、私…)
そう心の中で繰り返しても
一向に良くならなかった。
「怖いか?
ふふふ、そうかそうか。
死ぬのが怖いのか、人間!」
ポンポンと肩を叩く彼、
慰めているつもりなのだろうか。
そんなんよりもさっきのレイコさんの方が
まだ私を慰めてたわ。
「だが、安心しろ、
矮小な者達が考えるような死ではない。
死ぬのは、お前の自我だけだ…
器として役目を果たし、
お前と言う存在は空っぽになっていくだけ…
お前の中の俺を消滅させるどころか
封印する術も持たぬようだし…
どうにも出来んな、これは。」
さらに口元を釣り上げて、
彼は私の頭の上に手をおき、撫で始める。
「しかしお前はこの俺として…
あぁ、いや、
妖どもが言っているように言えば…
山神として新しく息を吹き返す…
光栄な事だろう?」
まるで上の空の私に彼はそう語る。
「…や、め。」
死の恐怖が私を飲み込もうとしたその時。
突如、私の目の端に鋭い何かか飛んできた。
「、」
後ろに数歩下がった彼とは
反対に私に近ずくその人物。
「Aっ!!」
そして聞こえたレイコさんの声。
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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)
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