私のキョウダイ (ページ29)

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＂A………A……＂

微かに聞こえてくる私を呼ぶ声に目を開く。

窓から見えるのは反射する自分の部屋の明かりで

カーテンを閉めずに電気を付けていることに気付く。

「起きた？」

それからすぐ聞こえてきたのは側に立っていた廉の声で

左手でコンビニの袋を持つ彼の表情はいつもと変わらない。

「もう夜？」

「今？19時半。さっき海人来て、これ置いてった」

左手に持っていたのは廉が買ってきたプリンではなく

海人からの差し入れだったようで

廉が代わりに中身を取り出すと

ゼリーやヨーグルトなどが何種類か入っていた。

「俺が買ったプリンと被らんくてよかったわ」

「プリンどこにあるの？」

「ん？俺が食べた」

「泣く」

「嘘に決まってるやん(笑) 冷蔵庫入ってる」

ガハハと笑う廉は体調の悪い私を

勇気付けようとしてくれてるようにも見える。

「あ、海人から何も言われんかったで。

そもそも後輩が言うてへんのか

海人が聞いたことを隠してんのかは知らんけどな」

真実は分からないとは言え、廉が一人で攻められずに

今日一日を終えたのにはホッとした。

「ご飯食べれる？」

「少しなら」

「じゃあ待っとって。持ってくるから」

そう言って机の上に海人が買ってくれた袋を置いて

部屋を出て行った。

その袋を見て何か違和感を感じたのは

気のせいじゃなくてちょっとした罪悪感だった。

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