私のキョウダイ (ページ12)

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放課後

今日は他のクラスの男子と帰った海人を見送り

自分も帰り支度をして教室を出ようとしていた。

「あっぶなー！よかったー！」

突然現れた廉が机の中を見て胸を撫で下ろしている。

「びっくりした…忘れ物？」

「やー、スマホ忘れて帰るところやった」

中からスマホを取り出して「よかった」と改めて呟く。

「てかまだ帰ってなかったん？」

教室には数人の男女が残っているだけで

誰とも話さず一人で準備するのは私だけと気付いた彼は

「海人おらんとぼっちやねんな」と困った顔で言った。

「余計なお世話」

「あ、ちょっと来て」

手招きされたので廊下に出ると外から聞こえてくる

部活動の掛け声を背景に、何やら腕組みをして

「今から告られてくる」

自慢げにドヤ顔で報告をしてくれた。

「は！？今日で二日目なのに！？」

「すごない？クラスメイトの名前すら知らんのに

他のクラスの女子から呼び出されたんやで。

転校してきてよかったかもしれへん」

そう言えば海人ですらイケメンと言っていた。

同性にそう言われていることを知らない彼は

ウキウキしながら「じゃあな」と去って行く。

背中を見つめてシンプルにやばいを心の中で

連呼しながら立ち尽くしていた。

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