第27話:日常 ページ6
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上条が教室に戻ると、見慣れた姿があった。いや、見慣れてはいないし、そもそも彼女と関わったのは今日でまだ三回目である。しかしそんな彼女は級友であり、記憶を失う前の上条当麻とは普通の友人関係を築いていたのかもしれない。
「おかえり上条クン。小萌先生のお説教なンて、青髪ピアスが羨ましがりそうだ」
中途半端に伸びた白い髪。血の色が透けて見える赤い瞳。何故平凡なこの学校に来ているか、誰もが不思議がる超能力者。
「あいつはとことん変人なんだな……」
上条は頭を掻きながら自分の席に近寄ると、少ない荷物を纏め始める。何てことはない。普通に、これから下校するのだ。正確には、インデックスと遊びに行くのだ。その様子を眺める超能力者、一方通行は、頬杖をつきながら「むしろ変人じゃない青髪ピアスとか青髪ピアスじゃない」と軽口を叩く。
「……」
「――」
奇妙な沈黙が流れた。
上条は知っている。あの病室に訪れて、怪我についても記憶についても聞かずに、ただプリンを差し入れた少女を。あの実験場で、赤子の手を捻る様に自分をあしらっていた少女を。――それ以外は、何も知らないのだ。
学園都市最強の能力者。「上条当麻」と一方通行は、入院すれば見舞いに来てくれる仲である。しかしあの日、確実に自分と敵対した。それなのに、こうして普通に目も合わせるし会話も振ってくる。上条の疑問は尽きない。
「……上条クン上条クン」
「ん？」
荷物を纏め終わった上条を待っていたかの様に一方通行は口を開き、「また明日」と微笑んだ。
上条は頭を抱えた。一体何がどうなっているのだろう。あの日自分がぶん殴った一方通行と目の前の一方通行は別人なのではないか、なんて考えまで浮かんでしまう。
頭を振って「そんな展開いりません！」と考えを取り、「なあ、一方通行」と向き直る。
しかし既に、一方通行は教室にいなかった。
呆気に取られて、頭を振って、考えを拭うまでの時間。
それだけあれば、この教室から立ち去る事は容易なのだろう。完全にペースを乱された上条は再び頭を掻くと、窓の外に目を向ける。
まだ、日は高かった。遠目からも目立つ白いシスターが、木陰で三毛猫を抱えながら立っているのを視界に捉える。
「……行くか」
階段を降り、下駄箱で靴を履き、白いシスターと眼鏡の少女が上条を迎える様に笑顔を浮かべる。
何もおかしい所は無い、日常の一コマだった。
少なくとも、この時までは。
そして、一方通行にとっては。
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yuumin^_^ - 続きこーしんしてくださると夏休みの宿題がはかどりますゥいつまでもいつまでも待ってますゥ！ (2022年8月12日 11時) (
レス) @page11 id: 79387fae85 (このIDを非表示/違反報告)
ガウェン・ララン - まだですか？待ってるよ！ (2018年3月17日 13時) (レス) id: 57c12d23b9 (このIDを非表示/違反報告)
ムスカ(ﾊﾞﾙｽしないで)(プロフ) - 続編おめでとうございます!!
これからも、応援してます!! (2017年8月15日 23時) (携帯から) (レス) id: 73140b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菊桜 | 作成日時：2017年8月14日 14時
