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百九 ページ9

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「まあ認めずともよい」

にたぁ、と口角を上げた僧はAの艶のある藤色の髪を掴みあげる。数本は髪の毛が抜ける音がした。激痛が走る。

「いっ、た…ぃ…何をする…!」

「動くなよ、間違って首を斬られたくないはずだ」

Aは動かなかった。否、動けなかった。奴の殺気には冗談では無いことが分かる。下手に刺激は出来ない。だから、Aは黙って従ったのだが

「まあ、少し血が付いた方が面白いか?」

「…!」

僧は一息に鞘から刀身を抜き放ち、そのままAを斬った。

「っうぅ!ぐ、…」

致命傷とまでは至らなかったが、Aは背後から首をざっくりと斬られた。それと同じように、胸より下まであった藤の髪もばっさりと、落ちる。血はどくどく、と溢れ着物は少しずつ血に染まった。
痛みを耐えてはいるものの、感じたことの無い痛みにAは意識が持っていかれそうだった。
僧は、髪を拾い上げるとわざと血を付け、結紐で縛った。そして、Aの腕を掴み、Aはまた地獄へと返されるのだった。

「ぐっうぅ…」


**


最初に入れられた牢とは全く違った。音も聞こえない、人が通ることも無い真っ暗闇で寒かった。

「助けてもらえる、なんて考え今のうち捨てとけ」

僧は、鍵を掛けると去っていった。直ぐに音も聞こえなくなった。だが、気配がした。

「貴方はもう少し利口な人だと思っていましたよ」

突然、背後から現れたのはいつぞやの忍だった。Aは目線もやらず、吐き捨てるように言った。

「嘲笑いにでも来たか、ただの(てあし)にそんなことを言われる筋合いはないぞ」

「手足、ですか。散々な言い様だ。
それはどうと私は構わない。それより、貴方の怪我の手当てをしなければならない」

Aは、むっと顔をしかめて忍を睨む。

「敵に手当てなど、毒を仕込まれるのがおちだ」

突然肩を掴まれて、訴えるように忍は言った。

「ダメだ、貴方に死んでしまっては困る」

そのどこかまっすぐ過ぎる言葉にAは息を詰まらせ、どこか諦めたように言った。

「お前忍らしくないな。…好きにしろ」

よく分からない男だ。敵かと思えば、家族のように敵方の身を案じる。忍とはこのような者だっただろうか。
Aは黙って治療を受けた。


「っん」

「破廉恥な声は控えて頂きたい」

Aは顔を紅潮させて、涙目で怒鳴った。

「破廉恥じゃないっ!!痛いんだ!!」


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設定タグ:戦国時代 , 織田信長 , 男主   
作品ジャンル:ギャグ, オリジナル作品
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愛之助(プロフ) - そうです《自主規制》のひとりごとです^^ (5月21日 19時) (レス) @page39 id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - ま、まさか……薬〇のひとりごと……!? (5月21日 19時) (レス) @page39 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 玲さん» 作品の目次ページにボタンとCSSて書いてあるとこでオフにして貰えたらノーマルになるのでお願いします〜🙏💦 (2022年7月10日 21時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
- すいません。とっても面白いんですけど背景のせいで文字が見にくいです。 (2022年7月10日 20時) (レス) @page39 id: be882aa841 (このIDを非表示/違反報告)
なーーみ(プロフ) - 愛之助さん» もう本当に感謝しかないです( ; ; ) ありがとうございます。 これからも頑張ってください。応援してます!! (2021年5月17日 22時) (レス) id: af11d71d69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:大手裏剣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/  
作成日時:2019年9月29日 1時

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