百四九 ページ49
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あの後、若干泣きそうになりながらも筆と書は元のように置き、片付けは終わり、三成の探していた本を借りて書庫を後にした。三成に泣いてるのかと心配されたが、埃が舞っただけだと言った。
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ある夜、小規模の反乱やその他諸々の執務があり全て片がつくころにはもう随分と日が暮れていた。今日は満月らしい。今から1人で屋敷に戻ると考えると中々足取りが重い。大広間の前を通ると、戸が全開で誰かいるのかと思えば、信長がそこに護衛1人付けずに居眠りをしていた。
「っ…早く帰ろう…」
どうせ信長のことだから、人の気配がした時点で起きているだろうから、声を掛けられないことを願ってそそくさと通り過ぎようとしたのだ。
「光慶」
まあ大体そうは上手くいかないものだ。これはバレるな。俺はその場で立ち止まり、返事をした。
「何でしょう」
「近う寄れ」
「…は」
はっきり言うと、心底嫌だ。何よりも疲れている。正体は気付かれたくもない。
「何故そこまで離れる」
「病持ちには余り近づきたくはないでしょう。御身に病をうつさせるわけにはいきませんから」
人二人は入れるくらいの間隔で腰を下ろした。数日前見た獣のような瞳では無く、寝惚けているのか物憂げな瞳が月の光で輝く。
「手を出せ」
目を向けると、酒の入った赤い盃が差し出された。そして、信長は俺に酒をそそげと無言で伝えてくる。仕方なく俺はもうひとつの盃に酒をそそぐ。
「盃を交わす、飲め。俺は貴様が気に入った。
なに、気にするな、ちんけな病如きに伏せる我ではない」
近い近い。顔が近い。
それもそう、盃を交わすとは腕を組み相手の酌んだ酒を呑み忠誠を誓う。唐突に訪れたこの状況で顔を隠すことなど出来るはずもない。口元の布をそっと下ろした。
目が合う。すると、信長はほう、と言葉をこぼした。
「存外、麗しい顔だな」
「…お戯れを」
嗚呼、思いの外自分は素直なものだ。信長に気付かれてしまうことを恐れているのに、気付いてくれないかと思っている気がする。
酒を飲み干す、これは中々強い酒だ。空きっ腹という訳では無いが酔いが早い。口元の布を引き上げる。
信長は酒は強かったはずだ。どうてことは無いだろうな。
「っく」
ふと、隣で小さなしゃっくりが聞こえた。
「……まさか酔われましたか。てっきり強いものかと」
「貴様随分楽しそうだな」
自分では気付かなかったが、目元だけでわかるほど笑ってしまっていたらしい。
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おわっ続編やないかい
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愛之助(プロフ) - そうです《自主規制》のひとりごとです＾＾ (5月21日 19時) (
レス) @page39 id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - ま、まさか……薬〇のひとりごと……！？ (5月21日 19時) (レス) @page39 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 玲さん» 作品の目次ページにボタンとCSSて書いてあるとこでオフにして貰えたらノーマルになるのでお願いします〜🙏💦 (2022年7月10日 21時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - すいません。とっても面白いんですけど背景のせいで文字が見にくいです。 (2022年7月10日 20時) (レス) @page39 id: be882aa841 (このIDを非表示/違反報告)
なーーみ(プロフ) - 愛之助さん» もう本当に感謝しかないです（ ; ; ） ありがとうございます。 これからも頑張ってください。応援してます！！ (2021年5月17日 22時) (レス) id: af11d71d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大手裏剣
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時：2019年9月29日 1時
