検索窓
今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:2,735 hit

13話 by.リオン ページ13

「本当にありがとう。助かった」

あの後、街へ行ったエルを追うと、偶然ガルクが居た。今いるのは、街外れの小さな病院だ。armと言う事で迫害させない為、彼なりに気を使ってくれたらしい。

病院の費用も彼が出してくれた。全く、彼には感謝してもしきれない。

「いいんだよ。これ位、気にしないで____あぁ、もうこんな時間か…悪いけど、そろそろ城に帰る」

時計を見ながら、走りかけた彼を呼び止める。

「待ってくれ。もし、俺に手伝える事があったら言って欲しい。出来ることなら何でもやる。必ず借りは返すから」

そう言うと、ガルクは、助かる。お大事に。とだけ言って城の方へ駆けて行った。

____
「ベレッタ……ごめんなさい」

ぽつりと呟いた声に返事はない。此処にいる全員が寝ている。

幼いショコラとリリィ。応急処理をしてくれたイルーナ。助けを呼んでくれたエル。

それぞれ疲れているだろうから、無理やり休ませた。

みんながベレッタを助けたけど…私はやっぱり何も出来なかった。

「出来の悪い弟で、ごめんね」

そう言って、医者が貸してくれた毛布を兄弟に掛け直しながら、極力音を立てずに病室を出た。

_____
もう夜も遅いが、ベレッタの倒れていた路地は、店の照明でまだ明るかった。

…この明るさなら見えるかな。視力は良い方だし。

目を凝らすと、地面に黒っぽくなった血痕が見えた。其れを辿って歩いて行く。

…血痕が途切れている。この近くで、ベレッタに何か__

「……あの女、逃がさなきゃ良かったな!」

っっ⁉︎あの女と言うのは、まさか……。

「全くだ。armはゴミだって正直に言っただけなのになぁ」

……こいつらか。ベレッタを傷付けたのは…

話し声は、隣の店から聞こえる。中に入るのは5人程度だろう。其れもかなり酔っている。

コートの中でナイフを強く握って、自然な足取りで店に入る。

やはり、中に入るのは酔った5人の男達だった。来客があるとは思っていなかったらしく、驚いた顔で此方を向いた。

「今晩は。……昼間はよくもベレッタを、殺そうとしてくれたな?」

______
あぁ、嫌だな。この臭い。

そう思いつつ、地面に倒れている男達を見る。全員、ベレッタ同様に肩にナイフで怪我をしている。

相手が酔っていたとはいえ、流石に私も無事では済まなかった。斬られた側頭部から流れた血が、目に垂れてきて気持ち悪い。

みんなが起きる前に戻らなきゃ…

私は、急いで夜の街を駆けて行った。

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←12話 by.べレッタ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

珠雨(プロフ) - 終わりました。夜遅くにすみませんm(_ _)m (2015年9月22日 1時) (レス) id: 078e786632 (このIDを非表示/違反報告)
珠雨(プロフ) - 編集します (2015年9月22日 1時) (レス) id: 078e786632 (このIDを非表示/違反報告)
まんり(プロフ) - 終わりました! (2015年9月21日 21時) (レス) id: 86b4ce5e2e (このIDを非表示/違反報告)
まんり(プロフ) - 編集してきます (2015年9月21日 21時) (レス) id: 86b4ce5e2e (このIDを非表示/違反報告)
まんり(プロフ) - 花柳@IN率低下さん» いないと思いますよ! (2015年9月21日 15時) (レス) id: 86b4ce5e2e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まんり x他1人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2015年9月19日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。