13話 by.リオン ページ13
「本当にありがとう。助かった」
あの後、街へ行ったエルを追うと、偶然ガルクが居た。今いるのは、街外れの小さな病院だ。armと言う事で迫害させない為、彼なりに気を使ってくれたらしい。
病院の費用も彼が出してくれた。全く、彼には感謝してもしきれない。
「いいんだよ。これ位、気にしないで____あぁ、もうこんな時間か…悪いけど、そろそろ城に帰る」
時計を見ながら、走りかけた彼を呼び止める。
「待ってくれ。もし、俺に手伝える事があったら言って欲しい。出来ることなら何でもやる。必ず借りは返すから」
そう言うと、ガルクは、助かる。お大事に。とだけ言って城の方へ駆けて行った。
____
「ベレッタ……ごめんなさい」
ぽつりと呟いた声に返事はない。此処にいる全員が寝ている。
幼いショコラとリリィ。応急処理をしてくれたイルーナ。助けを呼んでくれたエル。
それぞれ疲れているだろうから、無理やり休ませた。
みんながベレッタを助けたけど…私はやっぱり何も出来なかった。
「出来の悪い弟で、ごめんね」
そう言って、医者が貸してくれた毛布を兄弟に掛け直しながら、極力音を立てずに病室を出た。
_____
もう夜も遅いが、ベレッタの倒れていた路地は、店の照明でまだ明るかった。
…この明るさなら見えるかな。視力は良い方だし。
目を凝らすと、地面に黒っぽくなった血痕が見えた。其れを辿って歩いて行く。
…血痕が途切れている。この近くで、ベレッタに何か__
「……あの女、逃がさなきゃ良かったな!」
っっ⁉︎あの女と言うのは、まさか……。
「全くだ。armはゴミだって正直に言っただけなのになぁ」
……こいつらか。ベレッタを傷付けたのは…
話し声は、隣の店から聞こえる。中に入るのは5人程度だろう。其れもかなり酔っている。
コートの中でナイフを強く握って、自然な足取りで店に入る。
やはり、中に入るのは酔った5人の男達だった。来客があるとは思っていなかったらしく、驚いた顔で此方を向いた。
「今晩は。……昼間はよくもベレッタを、殺そうとしてくれたな?」
______
あぁ、嫌だな。この臭い。
そう思いつつ、地面に倒れている男達を見る。全員、ベレッタ同様に肩にナイフで怪我をしている。
相手が酔っていたとはいえ、流石に私も無事では済まなかった。斬られた側頭部から流れた血が、目に垂れてきて気持ち悪い。
みんなが起きる前に戻らなきゃ…
私は、急いで夜の街を駆けて行った。
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珠雨(プロフ) - 終わりました。夜遅くにすみませんm(_ _)m (2015年9月22日 1時) (レス) id: 078e786632 (このIDを非表示/違反報告)
珠雨(プロフ) - 編集します (2015年9月22日 1時) (レス) id: 078e786632 (このIDを非表示/違反報告)
まんり(プロフ) - 終わりました! (2015年9月21日 21時) (レス) id: 86b4ce5e2e (このIDを非表示/違反報告)
まんり(プロフ) - 編集してきます (2015年9月21日 21時) (レス) id: 86b4ce5e2e (このIDを非表示/違反報告)
まんり(プロフ) - 花柳@IN率低下さん» いないと思いますよ! (2015年9月21日 15時) (レス) id: 86b4ce5e2e (このIDを非表示/違反報告)
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