1通の挑戦状〜マジすか学園

Fight_23 ページ23

私がいじめられているじゃないかと言おうとする前に、その集団のところへ行ってしまった彩。




確実に喧嘩が始まる。





私もそのあとを追いかけたのだが、すでに1人犠牲になってしまっていた。





「いってーな！」



「あんたら、そこで何してんのや」



「はぁ？お前に関係ないやろ」





突っかかってくる男子とは別に、怯えた顔をしている女子。





「や、ヤバいよ。喧嘩なんかしたら勝てないよ」



「はぁ？つーか、誰なんだよ」



「知らないの？喧嘩の強い双子の姉妹。しかも、山本さんのお姉さん」



「え、は？えっと、、、」





急に怖気付く男子。





「あんた、ほんま生意気やな。覚悟しいや！」





彩が拳を振り上げると、怯えた顔をして去っていった。





「和桜。大丈夫？」





両目からポロポロと涙をこぼすA。





「なに、言われたん？」





つまりながらも、いろいろと言われたりされたりしたことを話してくれた。





最近、元気がないとは思っていたけど、そんなことになっているとは思いもしなかった。





もっと早く気づいてあげればよかった。





「明日、ビシッと言ってあげるからもう泣かないの！お姉ちゃんに任せて？」



「でも…」



「メソメソ泣くな。大丈夫やって言ってるやろ」



「…うん」



「じゃあ、一緒にアイス食べに行こ。ね？」



「うん」





ギュッと手を握ってくるA。





そして、そーっと返そうとしている彩。





「彩お姉ちゃんも行こうよ」





ビクッと肩を震わす彩。





「あ、私はええわ」



「えー、行こうよー」



「いやー、ちょっと」



「彩、行くよ。行かないんだったら、今日彩から手を出したことママに言うよ」



「げっ、それはマジ勘弁」





私の家では、絶対に先に手を出してはいけないというルールがある。




それを破ったら、1週間料理以外の家事全てを受け持たないとはいけなくなる。





「じゃ、A行こっか」



「うん！」






嬉しそうな顔をしながら私の手をグイグイと引っ張るように歩き出した。

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