1通の挑戦状〜マジすか学園

Fight_19 ページ19

誘拐事件以来、溜まり場によく来るようになったアントニオの妹。




いまも、アントニオの膝の上に座ってるし。





「ね、姉さんの膝の上にす、す、座ってる」





挙動不審のKY。




そんなKYを一発じゃぶり、





「そういえば、何のために会いに来たん？」





と聞いた。





「実は…お母さんの体調が良くなくて、お姉ちゃんたちに会えば少しは元気になるかなって思って、探しに来てたの」



「そうやったんや。今は大丈夫なん？」



「大分安定してきてるから、今週末には退院できるって」



「それはよかった」





そして、ずっと聴きたかったことを聞いてみた。





「あっ、そういえば、アントニオとAちゃんは苗字一緒やけど、ソルトとは苗字違うやんな？」



「あー、それは、うちとソルトが姉妹ってことバレたくなくて向こうが母方の姓を名乗ってるだけや」



「へぇー」



「まあ、そんな話はええねん。他校の看板取りに行くで」





Aちゃんを膝から降ろし、ライダースジャケットを羽織るアントニオ。





「えー、彩お姉ちゃんもう行っちゃうん？」



「ソルトのとこでもいっとき」



「なんでよー！」





アントニオの腕を掴むAちゃん。





「あー、邪魔邪魔」





その手を振り払い、部屋を出て行く。





「お姉ちゃんのバカ！」





そう叫んで、学校を出て行く。





Aちゃんが出て行った後、ふぅ、とため息をつくアントニオ。





「どしたん？」



「ああでもせんと、喧嘩してるところまでついてきよるから」



「え、そうなん？」



「気づいてなかったんか？ここんとこずっとついてきてたで。危なくてしょうがないから、どうにかして離そうと思ってな」





そんなことを言うアントニオの顔は、姉として本当に心配している顔だった。

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