ツンデレ嬢のデレ期 〔黒太宰〕 4 ページ22
激しく脈打つ煩い心臓を落ち着かせようとしていたら、それがAの純情な瞳には不審に映ってしまったようだ。
私を覗き込むように下から目線を合わせられた。
上目遣いというのは、本人が思っている以上に効果が高い。
今回のAは急だった上、リスのように頬を膨らませていたのだから、私が思わず悲鳴をあげてしまうのも当然だ。
……そう、当然なのだよ。
「ふふふっ、可愛い」
私の黒歴史の元凶であるくせにリスよりあざとく可愛いAにそう云われ、
「も〜…。勘弁して…」
そう呟く他、私に選択肢は無かった。
* * *
仕事を済ませて帰宅コース一直線!
朝のように手を繋いで、今朝の約束を果たしに帰る。
「デレ期」のAは一体どんな可愛い反応を見せてくれるのかな〜。うふふっ、何をしてあげよう?今から楽しみで思わず口角が上がる。
「悪い
「あれ?いつもは「ゲスいわよ、太宰」とか云ってディスってくるのに、今日は違うのだね」
「普段はそう云っちゃうけど…本当は私、治のそのゲスっぽいSっ気のあるカオ好きよ?」
何てことだい!!
今日はもう優しく虐めてやろう。決まりだ。
* * *
「一緒にお風呂入るかい?」
「うん」
「!!?」
* * *
朝、またしても目覚めてしまった。
今日は息苦しさを感じない。それを少し残念に思いながらも、隣から聞こえる静かな寝息に微笑を隠せない。
昨日は私の人生一楽しかった。
黒歴史も作ってしまったけれど…特に夜は。
一緒にお風呂に入るところから始まり、誘い、誘われ、求められ…。あぁ、可愛かった。今もだけど!
いつもの「テレ屋」「イヤイヤ」モードとは違った意味の、耐え難い愛おしさなのだよねぇ。
解けた包帯を巻き直しながら、隣のツンデレ御嬢様の頭を撫でる。
「んん…」
と寝惚けた声を出したAはもぞもぞと体を動かし、眠そうな目を薄く開けて、その黒瞳に私を捉えた。
「…?…!? っん、な…」
「御早う、A」
「ふっ、なあおおおおぉぉ!!」
ーーー
次へ…
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嘘吐き姫(プロフ) - 大丈夫ですよ。了解致しました、謹んで書かせていただきます。レスありがとうございます! (2020年2月4日 16時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - あっ!すみません・・・コメントできなくて・・・!えっと夢主ちゃんは二人の想いに気づいてないほうがいいです! (2020年2月4日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
嘘吐き姫(プロフ) - リアビーバ-さん» どちらでも大丈夫でしたら、私が勝手に書いちゃいます…。 (2020年2月3日 23時) (レス) id: ad6d962da2 (このIDを非表示/違反報告)
嘘吐き姫(プロフ) - リアビーバ-さん» 最後は夢主ちゃんは二人の想いに気づいた方がいいですか?それとも、気づかないまま…ですか? (2020年2月1日 16時) (レス) id: ad6d962da2 (このIDを非表示/違反報告)
嘘吐き姫(プロフ) - リアビーバ-さん» リクエストありがとうございます、承りました! (2020年2月1日 16時) (レス) id: ad6d962da2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:嘘吐き姫 | 作成日時:2019年10月14日 15時