涙少女は納棺師に恋をする。 (ページ2)

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到着それからページ2

私は今キャリーケースと手紙を片手に
人目につかぬが綺麗に舗装されている小道を歩いている。その道は険しくも美しい花弁が宙を舞う
まるでバージンロードのような紅い道が敷かれている。

ﾄﾞｷﾘ

何故か鼓動が早く大きくなっている。
後ろから灯る赤のランプの正体は私にはまだ分からなかった。

ｻﾞｼｭと音を立て私の右腕に傷が出来る。
荷物なぞそっちのけで無我夢中で走った。
幸い機密文書には傷ひとつ付いていない。
にしてもここはどこなのだろう。
近くでｶﾞﾁｬﾘと音が鳴ったと思えばこの周辺一帯に響くようなサイレンが鳴り響いた。

その瞬間傷は元通りの綺麗な状態に戻り
何故か走る速さがぐんと上がった。
反射的に橙色の灯る方へ走る。
きっとそこに誰かいると信じて。

明かりの方へと走るがもう明かりは消えてしまい
自分が今何処にいるのかさえ分からなくなってしまった。すると前方から声が聞こえた。
？「急いで！ゲートはもう空いてる！」
女性の声のする方へ走ると手を引かれ大きな門を抜けた。ナース帽を被って髪を一纏めにしている医師に見える女性。一体正体は誰なのか...

エミリ「ごめんなさい。余りにも初心者の様な動きをしていたから思わず...私はエミリー・ダイアー。役職は医師でやっているわ。貴方は？」
『私はA・カイゼラです。役職?はええと...』

私はとても大きなミスをしてしまったようだ。
荷物をあの紅い道に置いてきてしまったのだ。

『エミリーさん...どうしましょう私さっきまでいた場所に荷物を全て置いてきてしまいました…』
エミリ「大丈夫よ。ハンターが届けに来てくれるはずだから。」

ハン...？なんて？
理解しきれないほど脳の中に情報が入ってきて
訳が分からなくなってしまいそう。

私はエミリーさんに着いて行って大きな屋敷に着いた。綺麗に整地された庭もあり、ここで過ごすと考えると少し頬が緩みそうになった。