17話［最安］ ページ18
次の日の朝、
重いまぶたを開けて体を起こす。
机の上に置かれたくしゃくしゃのチケットに目をやると、昨日の出来事が夢ではなかった事が改めて思い知らされた
今日は土曜日
雷門は公立中学校だから、学校はないし
部活動も今日は休みだ
朝の支度を済ませ、外に出る用意をする
今日は頭痛が起きそうなくらい晴れていた
憂鬱な朝を抜け出すべく、ドアを開けた
一人暮らしも同然な私は家事をしなければならない。
今日は自炊の為、食材を買いに行くのだ
それも近所のスーパーではなく、少し離れた食料品店に。
あそこは全体的に少し高いが、新鮮な食材がずらりと並ぶマルシェで私のお気に入り
料理の腕より食材の質。
買い出しは私にとって、雲がかかった日々が少し晴れる瞬間
一種の生きがいかもしれない
気持ちの高まりをしみじみと感じながらも、食料品店に着いた
品のあるマダムが多いのもここの魅力の一つ
ゆったりとした時間が流れる中、野菜売り場に直行する
今は野菜が高いから、最優先で確保する為。
タンパク質は二の次だ
相変わらず高いミニトマトを通り過ぎようとした時、目についた最安トマト
正直、野菜はトマトしか勝たないと思ってる。クラスの女の子に言わせればまさに…
「トマトしか勝たん」
なんの迷いもなくトマトをカゴに入れる
いっそ、これで今日のノルマはクリアかもしれない
いや、やっぱりタンパク質だ。
お肉コーナーのほうに体を向けると、隣にすらっとした女性がいることに気がついた
「あら、Aじゃない」
凛とした声で名前を呼ばれた
A『瞳子さん…』
同じ野菜コーナーに居たのは、「おひさま園」と呼ばれる孤児院を設立した吉良星ニ郎の娘、吉良瞳子
瞳子「久しぶりね」
A『ご無沙汰してます』
正直いうと、あまり会いたい相手ではなかった
しかし他人という仲でもないので挨拶をし、ぺこりと頭を下げる
瞳子「…元気にしていた？」
A『はい』
瞳子「この間会った時より背が高くなったわね」
A『そう…ですね』
この先の展開は良く分かっていた
瞳子「ちょうど良いところで会えたわ。
あなたに話があったの
前も言った通り…おひさま園に来る気はない？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イナイレ大好き人間(プロフ) - りーあっくさん» ええ！！！えええありがとう！！！！頑張る！！！というか私は君の作品がみたいなﾋﾟｴﾝ (2020年5月22日 19時) (
レス) id: 469102fe9d (このIDを非表示/違反報告)
りーあっく(プロフ) - 話の展開ますます面白くなってて更新待ちきれません(笑)文の書き方がすんごい好み！！がんばれ！！！！！ (2020年5月22日 18時) (レス) id: 953f065768 (このIDを非表示/違反報告)
イナイレ大好き人間(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます!!!そうなんです！理想の低い夢主ちゃんで、これからどんどん設定が付け加えられていきます！ (2020年5月20日 23時) (レス) id: 084dca1113 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - なるほど、夢主ちゃんはそういう子なんですね！設定をかいてくださってありがとうございました！！ (2020年5月20日 18時) (レス) id: b227610430 (このIDを非表示/違反報告)
イナイレ大好き人間(プロフ) - こめこさん» 全然大丈夫です!むしろコメント下さってることに感謝しかないです!!!m(_ _)m (2020年5月20日 12時) (レス) id: 469102fe9d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
