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ベビーブーム1 ページ2

暖かな日差しが軟らかく降り注ぐ、春の昼下がり。
エリオスへの授乳を終えたAは、ほっと一息を吐いた。

背中を軽く叩き、げっぷを吐かせると生まれて間もない赤子はそのまままどろみ、眠りの世界へと入って行った。
そのまましばらく抱いていると、扉がそっと開かれてホメロスが入ってくる。

「エリオスは眠ったのか?」
「ええ、ほら」

幸せそうに眠る我が子の様子に、ホメロスの表情もいつになく穏やかだ。

「いい子だな。流石俺たちの子だ」
「そうね」

くすくすと笑いながらベッドにそっと寝かせ、マルゴーを始めとする育児担当の侍女に後を任せて部屋を出る。
用意してもらった品を手に、Aとホメロスは並んで邸を出た。



「これは……ホメロス様にA様!」

城門に着くと、門番を担っていた兵士から敬礼を受けた。
もう軍師は引退した身であるAだが、宰相の妻と言う事で未だに敬意を表される。
軍師だった時もそうだが、この様な扱いは情けない事にどうしても慣れなかった。

「ご苦労。国王陛下ご夫婦への祝いの品を持参した。お目通りを頼む」
「はい、かしこまりました!」

Aと対照的に、ホメロスは慣れた様子で門番に労いの言葉と用件を伝えた。
門は開かれ、夫婦並んで入城する。

すれ違う使用人や兵士達と挨拶を交わしつつ、玉座の間へ上がると、前王モーゼフの姿があった。

「おおホメロスにAよ、待っておったぞ!」
「恐れ入ります、モーゼフ陛下。この度は御孫のご誕生、誠におめでとうございます」

ホメロスが代表して祝辞を述べた。
そう、今日2人で城に来たのは、グレイグとマルティナの間に誕生した第一子をお祝いするためだったのだ。

誕生直後は景気のいい音と共に花火が打ち上げられ、王国中が連日連夜お祭り騒ぎとなった。
それもようやく落ち着き、改めて城を訪れたのだった。

「かたじけない。孫と言うものがこれほど可愛いとは今まで知らなくてな、ついにやけてしまうのだ」

言われて見ると、モーゼフの目元と口元は今までにない笑いを浮かべている。
それでも退位前と遜色のない威厳を保っていたが。

「ロウともようやく孫の話ができると思うと今から楽しみで仕方がない。おお、このまま話し込む訳には行かぬ。マルティナ達に会いに来たのだろう?」

そう言うと、国王夫婦の寝室まで案内してくれ、A達もそれに着いて行った。

「では、2人ともゆっくりして行くが良い」

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設定タグ:ドラクエ11 , ホメロス   
作品ジャンル:恋愛
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遠山すずか(プロフ) - リスタさん» リスタ様、コメント有難うございます!当小説を読んで頂けてとても嬉しいです^_^不定期ですがこれからも更新頑張ります。 (2022年9月7日 10時) (レス) id: 370e3ef134 (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - 初コメ失礼します!ほとんど見ました!面白いです♪ (2022年9月6日 23時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:遠山すずか | 作成日時:2022年8月13日 3時

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