Secret libraries ～気まぐれ館長の隠れ家図書館～【オリジナル短編集】 (ページ2)

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「マイ、ご飯だって。」

ユイの声で顔を上げる。そこには呆れた顔をしたユイがいた。

「また書いてるの？日記もどき。」

ユイの目線の先には私がさっきまで書いていた日記がある。

「まあね。これを書くのは日課みたいなものだし。」

「日記を書くのが悪いとは言わないけど、そんな小説みたいな書き方だと時間がかかってしょうが

ないじゃん。今日だって朝起きたらすぐ昨日の日記を書き始めて……。お母さんが流石に昼ご飯は

食べなさい。って言ってたよ。ほら、早く着替えて下に来てよ。」

お説教のような言葉を言われるのも慣れてしまった。

ユイはしっかり者だ。よくできた妹だと思う。

さて、急がないとまた怒られる。

私は急いでＴシャツに腕を通した。

私が一階のリビングへ行くと皆はもう座っていた。

「マイ、遅い。」

言葉少なに私を注意するのはケイだった。

「ごめん、ごめん。」

さらっと謝って席につく。

「明日からは朝ごはんも食べなさいよ。」

お母さんが苦笑しながら席についた。

『いただきます。』

「このニンジンいらないからあげる。」

「だめ。自分で食べて。六年生になってまでニンジンが嫌いなんて情けない……」

「え～。じゃあ、シュウ、あげる。」

「ダメだよ。ユイだって言ってるだろ？」

「ケチ。ケイが食べてくれるわけないし……」

「諦めて自分で食べなさい。」

「はあい。」

他愛もない話をしながらご飯を食べる。

いつもと変わらない日常だった。

夏休みでもそれは変わらない。