Top Secret

３ ページ3

「ここね、結構安くていいんだよ〜」


今日というオフは、買い物や洗濯っていう日常の家事をすることにした俺たち。
健永に連れられてきたのは、俺のマンションとほど近いスーパー。
ほとんどをコンビニで済ませる俺には目新しくて、久々にきた場所。
開店間もないスーパーはまだ客も少なくて、さらに俺たちを知ってそうな年代の人もあまりいなくて、健永とカートを押しながら、のんびりあれやこれやと品定めしながら進む。
あ。あの刺身、うまそ。
魚コーナーを見ていたら、ふと健永が声を上げた。


「あ！あれって横尾さんじゃない？」


その声に前を向いてみると、見慣れた背中が肉のコーナーで品定めをしていた。
そういえば、わったーもオフだったっけ。
あれ・・・？でも、わったーん家って、この辺じゃないよな。
俺ん家から近いって言えば、ミツ。
あと、ガヤじゃなかったっけ・・・。



「ちょっと、声かけてみようよ！」
「ちょ！ちょっと待て、健永！」


今にも走り出しそうな健永を制すると、不満そうに唇を尖らせた。


「なんだよ〜」
「この辺で近いのって、ガヤだろ！わったー、もしかして・・・」
「あ！ガヤさん家行くのかな？」
「オフにわざわざ家に行って料理ってさ・・・」
「あ〜！そっかそっか」


ふふふ。
いいこと思いついちゃった。


「後を付けようぜ」
「高嗣ってば、それは拙くない〜？」
「そんなこと言って、お前だってニヤニヤしてんじゃん！」
「ふふっ・・・めっちゃ楽しそう」


さっすが、健永！
よく分かってるな！

そんなわけで俺と健永は探偵よろしく、わったーの後を付けていった。








スーパーを出たわったーが向かったマンションは、外観からしてお洒落なマンション。


「あ。やっぱり、ここガヤさんのマンションだ」
「え！マジで？」
「うん。前に友輔と来たことある」


ガヤの弟と仲がいい健永。
以前にガヤに服を貰いに行くという弟と一緒に来たことがあるらしい。


「あ、やべ！わったー入っちゃうよ！」


エントランスに入り手慣れた様子で暗証番号を入れてるわったーに、二人して慌てて走り寄り、ドアが開いた瞬間にわったーと一緒に中に入り込んだ。

４→←２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す