苦くて切ない、甘い恋のお話。((S.S)) (ページ14)

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( side 亮 )

いつも隣におる女は、だいたい同伴の客。

………求められれば抱くし、まあ金は貰うけど。

でも、今日隣にいる人は、客とホストって関係ではない。

１回店に来て、もう行かないって言った女。今までは、初めて来た女はみんな俺に堕ちていくから珍しいと思った。

借り換えせとか言って飲み誘ったけど、ほぼ俺の前で愚痴しか言わへん。

……飲みすぎて、寝とるし。

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「変なオンナ……」

いや、俺もなんか今日は変や。
…………普段本名とか言わんし、まず自分から誘わん。

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こいつには、ずっと想ってるやつがおるらしい。
最近再会して、こっぴどく振られたとか。

ほんまの恋ってなんなん？

まったくわからんわ。

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しゃーないから、Aさんの腕を俺の首に巻いて、俺はAさんの腰抱えて、店の外を出ようとすると、

「あっ…すいません…」

たまたま、店に入ろうとした客がきた。
……あー、同伴かな。

めっちゃイケメンのホストとオンナと鉢合わせ。

そのホストがめっちゃ俺らを見てくる。

……いや、Aさんを見てる？

「あの、、なんすか？」

「あっ、いや。その人、大丈夫、すか？」

「…………あー、潰れたんで持って帰ります」

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そのホストが俺の腕をパシッと掴んだ。

「えっ？」

「………そこまで、連れてきます」

指さした先には、タクシー。

一緒にAさん抱えてくれて、タクシーまで連れてくのを手伝ってくれた。

…………なんやこいつ

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タクシーにAさんだけ乗せると、運転手に向かってそのホストがこう言った。

「〇〇区の〇△町…………」

「えっ」

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なんで？住所、知ってんの？

タクシーが去った後、俺に言った。

「あいつ、俺の知り合いなんで」

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