溶け残った深い藍【FGO】【クー・フーリン・オルタ】 (ページ18)

今日:11 hit、昨日:6 hit、合計:55,331 hit

#2-3…隠せない本質ページ18

彼女の通った道を塞がれてしまう前に辿っていくと、

倉庫の前で道は途絶えていました。

オルタが躊躇なく扉を蹴飛ばすと、

そこから大量の埃が舞い上がりました。

オルタは槍を一振りしてそれをはらうと、

立香を下ろしてカンテラを渡し、つかつかと倉庫の奥に入っていきます。

図書館になっていない普通の倉庫を見るのは久し振りで、

そういえば、サイが来てから図書館が出来たから、

もしかしたらAさんはあの出来事を経験していないかもしれない、

立香はそう思い、Aさんがこちらに来れた時にする話が増えて、

少し嬉しくなりました。

マシュと並んで待っていると、

少し遠くから声が聞こえてきました。

少し口論になっているようです。

「何故俺を避ける。

Aの残留思念。」

「だって、貴方は僕のオリジナルの為に動いてるんでしょう？

僕は必要なの？殺すならいっそ一思いに殺せばよかったのに！

何故僕の言葉を求めるの⁉

要らないよね⁉だって僕はオリジナルじゃないんだから‼」

捻くれた考えの彼女に、

少しオルタは苛立ちを感じます。

「ああ、確かに違うさ。お前は俺には必要ない。

だが、Aには必要なんだよ。

お前の役割を教えろ。

話はそれからだ。」

「それも要らない！

名前も呼ばなくていい‼

早くオリジナルに会いに行ったげてよ‼

僕は……彼女に幸せになってほしいだけなんだ…。

確かに死ぬのは怖い。

でも、それでもオリジナルは臆病な僕を作った。

きっと君を試すために。

僕は君に話しかけられた時、システム通りに逃げたよ？

でも、凄く後悔した。

命乞いをしても、君が躊躇なく僕を殺すのか。

疲れてたオリジナルはそんなことを考えてしまって僕は出来た。

オリジナルはこうすることを望んでいたけれど、

僕、これじゃダメだって思ったんだ。

早く殺して？僕はもう逃げない。

君を想ってオリジナルが泣いているのが伝わってくるのが

僕にはもう耐えられないんだよ…。」

そう言って彼女はポロポロと涙をこぼしました。